2013年4月10日~12日、東京ビッグサイトで開催された「第13回光通信技術展FOE2013」において、富士通オプティカルコンポーネンツが発表した100Gソリューションが話題になっている。
同社ではこれまで、近年急速に拡大するバイルブロードバンドサービス、ソーシャルネットワークサービス、クラウドコンピューティング、動画配信などのインターネットサービスなどで求められる通信トラフィックの急激な増加に対応するため、集積受信モジュール等、100G光ネットワークに対応した光コンポーネント製品を市場へ提供しており、この業界をリードしてきた。
その技術は、日本国内のみならず世界でも注目されており、例えば昨年9月にはアメリカの大手ケーブルプロバイダー・ブライトハウスネットワークスが、同社が抱える米国5州、約250万人にのぼる顧客に最新の通信パフォーマンスを提供するために、富士通<6702>の「FLASHWAVE9500PacketONP」を選定し、メトロネットワークに100Gを展開すると発表している。
また、今年3月には、カナダ第二の規模を誇る電話会社であり、IP、音声、エンターテイメント、動画などの様々な通信製品とサービスを提供しているTelusも、富士通の100Gソリューション「FLASHWAVE9500PacketONP」を利用することを発表し、導入するにあたって、同社の固定網計画&エンジニアリング担当VPであるZouheir Mansourati氏は「地域ネットワークの利用効率を高め、IPトラフィックにおけるギガビット単位のコストを改善し、運用コストの低減を図る」とコメントしている。
今回、富士通グループのブースで紹介されたのは、デジタルコヒーレント通信用100Gコヒーレントトランシーバ、100Gイーサネット用CFP/CFP2トランシーバ、多値位相変調方式/デジタルコヒーレント方式に対応したLN変調器/集積受信モジュール等の100G光コンポーネントなど。これらが日本でも一般的に導入されるようになれば、大容量のデータ通信もストレスがなくなり、個人のネットアクセスや、オフィスのネット環境などが飛躍的に快適になるだろう。
しかも、富士通はすでに、400Gの通信技術の開発に着手している。先日、富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司は、10Gビット/秒向けの汎用部品を使って100Gビット/秒の高速通信を実現する光伝送技術の開発に成功しており、この技術を4チャネル構成の光送受信器に適用することで、400Gビット/秒Ethernet用トランシーバの実現も可能だという。(編集担当:樋口隆)