ファイザーが緑内障など成人の目の病気が多く発症してくる40歳代から60歳代の男女で、病院で複数の目薬を処方された経験のある人1200人を対象に「点眼方法に関するインターネット調査」を行った結果、3人に1人(33.5%)が目薬をさし過ぎていたり、37.2%が十分間隔を空けずに複数の目薬を点眼しているなど、点眼滴数、点眼後の行動、点眼の間隔について正しく点眼できていないことが分かった。
点眼滴数については、一度に何滴もさしているにも関わらず、正しく点眼できていると思っている人が79.4%あった。目薬を一度に何滴さすかの問いに「1滴」が66.5%、「2滴以上」が33.5%あった。
山本哲也・岐阜大学大学院医学系研究科(眼科学)教授はこのアンケートの結果について「目薬は1度に2滴以上さした方が、1滴よりも効果が大きいと誤解している人が多いですが、目薬の1滴の量は目の中にためることができる量にあわせているので、それ以上さしても目の外にあふれるだけで効果が高くなることはありません」とアドバイス。
また「目をぱちぱちさせてしまうと目薬が外に流れ出してしまったり、目頭にある涙の排出口(涙点)に目薬が集り、鼻から喉の方に流れていってしまい、薬の効果が十分に得られません。目薬の種類によっては、鼻の方に流れていくことにより全身的な副作用をおこす場合も稀にあります。したがって、点眼後、しばらくまぶたを閉じて、目薬が鼻や喉の方に流れないように目頭を軽く押さえることが大切です」と正しい点眼について解説している。
また、同教授は「複数の目薬をさす時は、最初の目薬をさした直後に別の目薬をさすと、最初の薬は目の外に洗い流されてしまい、効果が減少します。最初の目薬を十分に吸収させるには、次の点眼までの間隔を約5分以上空けることが重要」と話している。
(編集担当:福角やすえ)