政府は介護福祉士の試験問題に「褥瘡」(じょくそう)「清拭」(せいしき)等の用語が使用され、日本人でも難解なことから「外国人介護福祉士、看護師の国家試験に対し、読み仮名をつけるべきではないか」と馳浩衆議院議員が求めた質問に答え「介護福祉士候補者等の受入制度を創設した趣旨にかんがみ、1人でも多く介護福祉士試験等に合格できるよう、日本語能力の向上策を含めた対応策を検討したい」と回答したものの「介護福祉士試験や看護師国家試験問題の漢字に読み仮名をつける考えはない」と現行通りの出題形式で今後も試験を実施する考えを示した。
また、「介護福祉士は3年の実務経験が必要で4年以内に国家試験に合格できなければ帰国せざるをえない(ことを配慮し)、受験機会を増やすべきではないか」との意見にも「現時点では、増やすことは予定していない」と受験生の努力を求めるにとどめた。
政府は、試験問題での読み仮名つけや受験機会の増について否定的な理由として「介護や医療の現場では、医師、看護師、介護職員等が相互に連携して業務を行うとともに、利用者や患者、その家族らと密接に意思疎通を図る必要がある。(このため)外国人介護福祉士候補者や外国人看護師候補者についても、十分な日本語の能力を有していることが不可欠」としている。
現行制度では看護師の場合は3年、介護福祉士の場合は4年の滞在期間中に資格を取得できなければ、帰国しなければならないことになっており、馳衆議院議員は「国家試験で使われる難解な漢字が大きな壁になっている。日本人でも難解な用語で表記された試験を外国人に課すことは、事実上外国人を排除する事にもなりかねない」と改善を求めていた。
(編集担当:福角忠夫)