若年層の雇用安定へ 経団連と連合が政府に要請

2010年01月29日 11:00

 15歳から23歳までの若年層の完全失業者が増えているおりから、新卒者など若年層の雇用安定を図るため、日本経済団体連合会と日本労働組合総連合会は共同して、政府に対し、「早期の景気回復と雇用創出に向け、2010年度当初予算を早期に成立させ速やかに執行すること」など、8項目にわたる対応を求めた。

 1月28日、今年度第2次補正予算が成立したが、介護、医療、農林、環境・エネルギー、観光など重点分野雇用創造事業での雇用機会の創出や人材育成の推進などをはじめ、(1)緊急人材育成支援事業における「未就職卒業者向け訓練コース」(訓練期間中の生活支援給付あり)の内容充実など長期的な就職支援体制を整備すること(2)2011年春卒業予定者を含め、学校における個別相談体制を強化するため、高校、大学等での就職支援体制の充実を支援すること(3)雇用・能力開発機構が行う学卒者訓練(普通・専門・応用課程)のプログラムを充実させるとともに、定員枠の拡大や受講料の減免を行うこと(4)大学、短期大学、専修・専門学校などに入学する新規学卒者への入学金・学費の低利融資制度や奨学金制度を拡充すること(5)すべての学校教育段階において、働くことの意義を含めたキャリア教育を拡充すること、などを求めている。

 文部科学省の調べでは、今春、高校卒業予定者のうち、就職を希望する生徒の就職内定率は55.2%(昨年10月時点)と前年同期比で11.6%下回るなど、就職状況の厳しさが浮き彫りになっている。

 経団連と連合は「今春卒業予定の学生や生徒の内定率は大幅に低下するなど、就職先が決まらず不安を抱えている者は多い。来年の卒業予定者についても、厳しい状況が続く懸念がある」と政府に迅速な対応を求めている。
(編集担当:福角忠夫)