「停まるための移動具」、電動アシスト自転車で日本再発見

2009年12月14日 11:00

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ヤマハ発動機は、「日本に面白くないところなどない」という発想のもと、観光地において、地元の企業や団体と提携し電動アシスト自転車PASのレンタル事業(パスクル)を積極的に展開し始めた。

 今まで、観光地での移動手段といえば、自家用車や電車、バスなどが主流だった。しかし、自動車での移動は渋滞や駐車場探しなどでスムーズに行かないケースも多く、また、公共の交通機関では時間が気になり、ゆっくり旅を楽しめないということがよくある。そんな中、最近では旅先でも自由で快適に移動できる電動アシスト自転車の存在が注目されはじめている。

 この電動アシスト自転車を使った新しい旅のスタイルを提案しているのが、常に時代の先を行く革新的な技術とアイデアで、「乗物」の歴史を築き上げてきたヤマハ発動機 <7272> だ。「日本に面白くないところなどない」という発想から、観光地において、地元の企業や団体と提携し、電動アシスト自転車PASのレンタル事業(パスクル)を積極的に推進している。ただ電動アシスト自転車を観光客に貸し出しするだけではなく、地域の人々と協力し合い、街のコアな情報を提供していくなどソフト面を重視。ゆっくり移動しながら、快適で刺激的な旅を演出することで、日本の魅力を再発見してもらうことを目的としている。

 インターネットの普及により、情報が溢れている現在、有名な観光地ひとつをとっても、誰もが知っているメジャーなスポット以外に、一般の人たちがネット上のブログなどに書いているようなガイドブックにも載っていない穴場スポットがたくさんある。そんな多彩な魅力に溢れる街を存分に楽しむには、快適で機動性も高いPASは最適な移動手段となるだろう。一度、訪れたことのある街でも、電動アシスト自転車に乗って、風を感じ、寄り道をしながらゆっくり移動すれば、その街の新たな一面を発見できるかもしれない。

 また、PASの周遊性や観光地情報を地域密着で配信するウェブサイト「Becle(びーくる)」を開設。こちらでも、その街のことをよく知る人々に情報提供を依頼し、地元目線で観光地情報を発信していくことで、他にはないオリジナルの旅情報サイトを目指していく。

 今まで、YAMAHAが世に送り出してきた移動ツールでは、スピードという項目が重要視されていたように思えるが、今回は「停まるための移動具」という今までとは全く違ったコンセプトで新プロジェクトを展開していく。豊かな生活を創造するという基本のスタンスは変わらないが、遊びを軸にして事業を展開してきたYAMAHAならではのこの逆転の発想が、国内観光地における旅の新たな楽しみ方を創出し、日本の観光地に再び活気を与えてくれることを期待したい。
(編集担当:北尾準)