日米合意の現実無視して議論できない 岡田外相

2009年11月04日 11:00

 岡田克也外相は11月2日午前の衆議院予算委員会で阿部知子社会民主党議員が米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移転について、沖縄県民の負担軽減はもとより、環境の面からも、県外・海外への移転を求めるとして、外相の考えを質したのに対し、普天間飛行場の移転について「日米間で一定の合意に達しているという現実があり、そのことを無視しては議論できない」と日米外交路線の重みを示した。

 岡田外相は「(この問題は)普天間飛行場を早期に除去(移転)することが発端」であり、日米間の合意(辺野古への移転を含めた現行案)に至るまでの経緯についても「外相として(現行案が導き出されるまでに至った議論に)納得して、(その上で)判断していきたい。そのための検証を行っている」とした。岡田外相は嘉手納基地への統合案を自身の考えとして有しており、こちらも検証中だ。

 阿部議員は「辺野古への移転で海を埋め立てることになれば、環境の世紀に過ちを犯すことになりかねないことになる」と沖縄県民の負担軽減のため、環境面でもこの問題を取り上げ、踏み込んだ日米交渉を行うよう求めたものとみられる。また、2日午前、沖縄県那覇市議会が「普天間飛行場の県外・国外への移設を求める意見書」を、共産党議員を除く全会一致で可決した。共産党議員は決議前に退席した。

 鳩山由紀夫首相は「(この問題は)日米合意の重要性ということを認めながら、沖縄県民の負担を軽減するためにどういう選択肢があるか、という一点に基づいて、なんとか結論を出していかなければならないと考えている」とした。
(編集担当:福角忠夫)