がん登録 国全体での実施が必要 74%に

2009年11月04日 11:00

 内閣府のがん対策に関する世論調査で、個人情報の徹底が行われることを前提として、今後のがん検診の評価やがん医療の評価に役立てる目的で1人1人のがん患者の診断データやその後の経過、生存状況についての情報を収集する「がん登録」について、「国全体で実施する必要があるかどうか」の問いかけに、74.1%の回答者が「必要がある」と考えていることが分かった。必要と思わないは18.6%にとどまった。2007年9月調査に比べ必要と思わないという回答も5ポイント増加したが、必要と思う人は19.5ポイントと大幅に増加していた。

 調査はがんに対する意識や検診に関する意識、がんの診療やがん登録などについて、今年8月27日から9月6日にかけて調査員による個別面談方式で、全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施。1935人から有効回答を得た。

 質問の中で、がん登録について知っているかどうかでは言葉だけは知っている(9.7%)を含めても「知っている」人は13.6%にとどまり、よく知っているという人は4%のみとほとんど知られていないことが分かった。

 そのうえで、がん登録の意味を説明し、がん登録の必要性を聞いたところ、34.2%が必要と回答。39.9%がどちらかといえば必要と回答するなど、合計すると、74.1%が必要とした。必要と思うは20代(84.5%)、30代(83.3%)で特に高かった。このほか、国立がんセンターがインターネットで「がん情報サービス」を提供していることについて知っていたのは21%にとどまり、78%は知らないと回答。がん情報サービスではがんの原因、予防のほか、病院や治療法なども説明していることから、こうしたサービス実施の周知活動も求められることも分かった。
(編集担当:福角やすえ)