普天間飛行場移転問題 閣僚間答弁に隔たり

2009年11月02日 11:00

 鳩山由紀夫首相は米軍普天間飛行場の移転問題で30日午後の参議院本会議で、沖縄を選挙区にしている自由民主党・島尻安伊子参議院議員に「(普天間飛行場の移転問題で)閣僚間の答弁に隔たりがある」と指摘され「政府の意見の中に最終的に隔たりが出るということはない」と答弁し、政府としての結論が出た場合には閣僚の答弁も一枚岩としてのまとまりを持つとの考えを示した。

 首相は、現在の閣僚間の答弁の隔たりについて「沖縄県民の負担をできるだけ軽減しなければならない。そのため、防衛大臣、外務大臣にいろんな選択肢の検証を指示した。(指摘は)閣僚間のプロセスのことであり、政治主導の中でそれぞれの考えを申し上げているのであって、本件の結論はわたしが出す。政府の意見の中に最終的に隔たりが出るということはない」とした。

 平野博文内閣官房長官も「関係閣僚の答弁に隔たりがあるということ(指摘)だが、検討過程におけるそれぞれの閣僚の答弁であって、結論としてのものではない」と答弁した。

 しかし、普天間飛行場移転への対応では、日米合意の現行案(キャンプ・シュワブ沿岸部・名護市辺野古へ移設する案)を容認する北沢俊美防衛相、嘉手納基地への統合案を提案し、検証中という岡田克也外相、県内移転では沖縄県民の負担軽減につながらないとする福島みずほ少子化担当大臣など閣僚間での違いが鮮明になっている。

 鳩山首相は「県民の意に沿った結論を出していきたい」というものの、嘉手納基地への統合案は過去に日米間協議で成立しなかった案であることや、県外移転や海外移転はできないとの意向がアメリカ側から明確にされていること、さらに、岡田外相自身が語る時間的制約などを含めると、鳩山首相がどういう決断を下していくのか、現行案を変えるには、相当な説得材料を備えなければならないことだけは明白だ。
(編集担当:福角忠夫)