介護職員処遇改善交付金申請を 政務官呼びかけ

2009年10月27日 11:00

 山井和則厚生労働大臣政務官は同省ホームページで介護職員処遇改善交付金の申請を行うよう、介護施設経営者らに異例の呼びかけを行っている。

 介護施設職員の給与が仕事内容に照らして低く、やりがいだけでは生活できない、などを理由に介護分野から離職する人も少なくない。このため、厚生労働省では、待遇改善を図るため、2年半の財源として4000億円を確保し、介護職員の給与を全国平均で月額1万5000円アップするよう、介護施設の事業者らからの申請を受けて交付する制度を今月からスタートさせた。

 山井政務官によると、肝心の申請が48%にとどまっており、現況では70%程度にとどまりかねない、としている。

 交付金の申請率が低い要因として、2年半後に、この交付金の財源が確保されず、廃止になった場合、給与を下げざるを得なくなるのではないか、と事業者が懸念し、給与引き上げにつながる交付金申請を躊躇しているとみており、「こうした懸念はしなくても、その後も、財源を確保し、継続していくので、是非、申請してほしい」と呼びかけている。

 鳩山内閣は介護職員の給与を将来、現行より月額平均で4万円アップさせたいと考えており、「1万5000円はその一歩」と説明している。

 勤務している事業所が申請しているかどうか、介護職員も自らチェックして、少しでも仕事に見合った給与に近づくよう、交付金を受け取るようにしてほしい、というのが政務官の思いでもあるようだ。待遇の悪さがこの分野での人材不足を助長しており、雇用創出のためにも、待遇改善は最低条件と言われている。
(編集担当:福角忠夫)