米の流通監視を売買・管理業務から分離 農水省
農林水産省は事故米事件発生の裏側には省の職員意識や組織体質に問題があった、として省組織の抜本的再編を図るため「2010年度組織・定員要求の概要」を8月31日、発表した。米の流通監視業務を米の売買・管理業務部門から分離させ、消費・安全局に移管するとともに、全部局に「食の安全」の視点から所掌事務を監視・調整する体制を整備するとしている。
また、国民から信頼される組織づくりに向け「農林水産省各部署の業務の監察、会計監査、政策評価、国民目線での政策決定プロセスの確保等を一体的に行う農林水産行政監察・評価本部(仮称)を新設するとともに、広報・報道を一元化し、国民ニーズに沿った情報を分かりやすく発信するための体制を整備する」。
このほか、地方組織の確立とともに、総合食料局の再編(仮称・資源産業局の新設)や農林水産技術会議の組織の見直し(大臣官房に仮称・技術・環境政策部の新設 )、食料の安定供給体制強化に向けて生産局を再編する(仮称・食料生産局の新設)などをあげている。
また、地方組織については「地方農政局-地方農政事務所-地域課、統計・情報センターの3段階組織を簡素化し、地方農政事務所を廃止して、地方農政局-地域センター(仮称)の2段階にする」。特に、食品表示の適正化、食の安全確保、経営所得安定対策の窓口業務等を地方農政局の統率の下で的確に実施するため、現在346ある現場の地方出先機関を65に集約して地域センター(仮称)を設置するなどをあげている。
(編集担当:福角忠夫)