食料自給率 カロリーベースで41%に

2009年08月12日 11:00

 平成20年度の食料自給率がカロリーベースで41%、生産額ベースで65%となった。カロリーベースでは前年度より1ポイント上昇し、2年連続の上昇となった。逆に生産額ベースでは前年度に比べ1ポイント低下した。農林水産省が8月11日発表した。

 石破茂農林水産大臣は「農業の担い手の育成確保、農地法改正等による農地流動化の促進、国産品消費拡大のための国民運動などを進めてきた。引き続き、自給力の向上、食料の安定供給へ施策を推進したい」と食料自給率をあげるための努力を語った。

 また大臣は「食料が全部途絶して、何にも入らなくなりましたということになれば、自給率はドーンと上がるわけで、それで良かったというのは、これはもう錯乱の世界であって、なぜ上がったかということをよく的確に捉えて、いろいろな施策というものを講じていかねばならない」と数値の裏側を詳しく分析していくことの必要を語るとともに、自給率については「農地、農業者、農業技術、そういうものの強化に向けて更なる努力をしなければならない」と補足した。

 大臣は「自給率と自給力の整合性というものをきちんと検証し、なかなか自給力は数字で出るものではないけれど、そういうやり方も、きちんと開発せねばならない」と自給力とのバランスのとれた自給率の向上を図ることが大切との考えを示した。

 なお、大臣は今回、カロリーベースで1ポイント上昇した要因について「さとうきびや大豆の生産量が増加をしたということ、あるいは国際価格の高騰により、チーズ、あるいは大豆油の原料大豆などの輸入量が減少したということが主な要因」と説明。また、生産額ベースで低下した要因については「みかんの裏年にあたり、(みかんには実をたくさんつける表年とその翌年には木にエネルギーを貯えるため実をあまりつけない裏年があり)みかんの生産量が減少したこと。リンゴはひょう害により価格が低下した。国際的な穀物価格の高騰により、エサ、飼料等の輸入額が増加したということが主な原因」と説明した。
(編集担当:福角忠夫)