ベネッセコーポレーション のシンクタンク「Benesse教育研究開発センター」は、2009年1月から2月に、中学生の英語学習の実態と、英語や外国に対する意識調査を実施し、このたび、その調査結果を公表した。
今回の調査では、全国の中学2年生2967名を対象に、中学入学前の英語学習や中学校での英語学習についてなどのアンケートが行われた。その結果、「小学校での英語の授業や活動はどうでしたか」という質問に約7割が「楽しかった」と答えた反面、「もっとたくさん英語を話したかった」や「もっと早くから学校で英語を習いたかった」と答えた学生は3割にとどまった。中学校にあがり本格的に英語学習が始まると、6割が英語を苦手だと感じるようになってしまっており、そのうち約8割が中学1年生の後半から苦手と感じるようになっているようだ。その一方で、「外国に行きたい」や「外国の人に道を聞かれたら答えるようにしたい」と感じる学生が約6割にのぼるなど、異文化への関心は強いという傾向もうかがえる。さらに、「自分たちが大人になる頃には、今よりも英語を話す必要がある社会になっている」と考える学生は7割を越えた。
以上の結果より、中学生の多くが英語に対して苦手意識が強い反面、将来の英語の必要性は感じているということがわかった。しかし、積極的に英語を勉強したり、使う意識は低く、現状では「受験に必要だから、役に立つから、」という理由で勉強している学生が目立った。アンケートを実施した同社では、今後は子どもたちにコミュニケーションや英語を使う楽しさを実感させ、英語が役立つ体験を増やしていくことが重要となり、これらが異文化や英語に対する関心を高めていくきっかけとなると考えている。
(編集担当:山下紗季)