消防庁が2008年中に国内で発生した火災の発生被害状況をまとめた結果、総出火件数は5万2394件、死者1969人、負傷者7998人、火災による損害総額は1084億1681万円に上っていたことが分かった。
出火原因のトップは放火で、放火の疑いのあるものと合わせると1万776件、全体の20.6%と5件に1件の割合になっていた。消防庁では「放火火災防止対策戦略プランに基づいて、ご近所の底力を活かし、放火されない環境づくりを目指したい」としている。
これは消防庁が6月26日に発表した。それによると、火災件数の57.4%は建物火災(3万53件)で、車両火災(5358件、10.2%)、林野火災(1891件、3.6%)が続いて多かった。
建物火災のうち、一般住宅は1万1164件、共同住宅5125件、併用住宅847件と住宅火災が火災全体の57%を占めた。
死亡原因をみると、逃げ遅れによるものが最も多く792人と全体の40.2%を占め、放火自殺(心中を含む)も535人と次に多かった。放火自殺者などを除く死者(1419人)を年齢別にみると、65歳以上の高齢者が859人と全体の60.5%を占め、前年に比べ49人、率にして6%増えていた。高齢者は火災発生に気づくのに遅れ、犠牲になるケースが多いことが裏付けられ、住宅用火災報知器の早期普及への一層の取り組みが求められている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)