御手洗冨士夫日本経済団体連合会会長は、今月23日に政労使の3者が雇用の安定と雇用の創出を実現するために協力するとの合意を行ったことについて「政労使が一丸となって雇用問題に取り組むという強いメッセージを打ち出した。雇用の安定・創出は企業の社会的責任であり、経団連としても今後、この合意に基づき、会員企業に対し、さらなる取り組みを呼びかけていきたい」と合意内容の実現への経営側としての決意を語るとともに、「政府には合意内容の早期実施に向け、予算措置も含め、速やかな対応を求めていきたい」と話した。
今回の合意は政府、日本経済団体連合会や日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、日本労働組合総連合会が「景気回復に向けあらゆる施策を総動員することと併せて、雇用の多くを占め、雇用維持に努力している中小企業の実情等に配意しつつ、実効性ある雇用の安定・創出策を更に強化していくことは喫緊の課題である」との認識を共有したもので、雇用維持の推進では「我が国の労働現場の実態に合った形での日本型ワークシェアリングとも言える様々な取り組みを強力に進める。そして、その際には、親会社たる大企業の労使は、下請労働者の雇用の維持・確保に最大限の配慮を行う」などとしている。
また、政府は「残業の削減、休業、教育訓練、出向などにより雇用維持を図る、いわゆる日本型ワークシェアリングへの労使の取り組みを促進するため、雇用調整助成金の支給の迅速化、内容の拡充を図り、正規・非正規労働者を問わず、解雇等を行わず雇用維持を図るための支援などを早急に行う。また、雇用維持の観点から、中小企業の資金繰り支援に万全を期す」などをしている。