ネット販売 医薬品第3類限定に大臣自ら慎重論

2009年02月02日 11:00

 厚生労働省は医薬品のインターネットなどでの通信販売について、第3類医薬品のみに限定して販売を認める方針で省令公布への準備を進めていたが、舛添要一厚生労働大臣が、1月23日の閣議後の記者会見で、「私のところにネット販売に賛成の方も反対の方も来られております。ネット販売を促進してくれ、というのは、身体障害者の方々とか、いろんな方が来られ御要望なさいました。そういう要望に対して規制しようという方はどう応えるのか、答えを出して下さい、と私は既に投げかけています」と第3類医薬品のみに限定することに慎重な姿勢を示す発言を行うとともに、「今具体的にどうするか大体案を固めつつありますが、両派の方々の御意見をよく聞いて、国民的議論にしたい」との考えを示したこと。さらに、「今のところ、私の直属の検討会のような形を同時に並行させて良い形にしたい。そうすると、その検討会の結果、変わることも有り得るわけですから」と発言するなどしたため、省令を1日も早く公布したいと準備を進めてきた同省事務局では、その対応に困惑気味で、省令公布の目途も立ちにくくなっている。

 大臣は「それぞれの言い分にそれぞれ聞くべき点があると思いますから、国民的議論を巻き起こすための検討会的なものも考えている」としている。ただ、大臣直属の検討会の設置について、今のところ具体的な動きは出ていない。

 一般用医薬品のネット販売については、政府の規制改革会議が「すべての一般用医薬品について、販売を認めるべき」と厚生労働省に対し、意見を出し、厚生労働省はこれに反対意見を述べ、認めるのは第3類の700成分のみ、との方針を固めていた。ただ、「安全確保の具体的な提案が、今後、インターネット販売の団体などから示された場合には、幅広い関係者で議論することを検討したい」と省令公布後に、慎重に検討していく余地は残していた。