環境省と農林水産省は昨年6月に公布された「愛がん動物飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」に基づき、ペットフード製造の方法の基準、表示の基準、成分規格の設定を進めており、現在、原案に対するパブリックコメントを募っている。意見の受付は2月15日まで。
これは、ペットフードが原因でペットの健康が害されることがないように、と省令で定めることにしたもので、省令案ではペットフードの成分規格をはじめ、ペットフードの製造方法(原料、材料について、病原微生物について、添加物について)、表示基準を定めている。
具体的には、成分規格ではカビ毒(アフラトキシン)は0・02ppmを上限とするなどの数値で上限枠を明記。製造については(1)有害な物質を含み、若しくは病原微生物により汚染され、又はこれらの疑いがある原料や材料を用いてはならない。(2)製造工程において、適切な加熱処理又は水分調節などを行うことにより、病原微生物の増殖を抑えなければならない。(3)プロピレングリコールは、猫用の愛がん動物用飼料には用いてはならないとしている。
また、ペットフードの表示基準で、原産国名については「最終加工工程を完了した国を記載する。原産国が日本の場合は国産と表示することも可とする」としているが、原産国とは「ペットフードの製造工程のうち最終の加工工程が行われた国を指し、2カ国以上で製造が行われた場合には、その最終加工工程が行われた国をもって原産国とする。最終加工工程には、充填や包装工程は含まれない。したがって、リパックなどの再包装作業は、最終加工工程に該当しない。海外の複数の国で製造された粒を、日本国内で均等に同量ずつ混合・包装したような場合、原産国は海外のどちらか一カ国を表示する」としており、形式的な混合や包装作業工程による作業をもって国産とされるようなことがないよう、定義している。
また、事業者の氏名表示については製造業者、輸入業者、販売業者の別も表示するよう定めた。原材料についても「原則として使用した原材料は全て記載する。これには甘味料や着色料、保存料、酸化防止剤、発色料など全ての添加物について、用途名の併記して利用者が分かるように表示する」としている。