私の仕事館 業務廃止し、売却先検討を

2008年11月04日 11:00

 行政の無駄を排除するための行政支出総点検を行っている行政支出総点検会議(座長・茂木友三郎キッコーマン代表取締役会長、東国原英夫宮崎県知事ら座長を含め10人で構成)で、厚生労働省をはじめ、農林水産省、防衛省、警察庁、金融庁について担当したワーキンググループが公益法人への支出や特別会計、政策の棚卸しなどをチェックした結果、(独)雇用・能力開発機構の私のしごと館については「業務を廃止するとともに、施設は望ましい利用形態や売却先を検討すべきである」と整理の必要を強く打ち出した。

 また、農林水産省管轄の財団法人日本中央競馬会弘済会については、競争性のない随意契約により駐車場の管理運営業務や指定席券などの発売補助業務などを行っている状況を改め、競争性のある契約形態にすべきであるとの方針を出した。

 さらに、厚生労働省管轄の財団法人雇用振興協会が行っている雇用促進住宅の管理業務についても「一般競争入札に移行するとともに、民間企業が広く競争参加できるように、市町村単位や宿舎単位に地域を分割すること、事業を分割するなどして発注の方法を工夫すべき」などと指摘した。

 このほか、財団法人こども未来財団が保有している約300億円の「こども未来基金」については、「その運用益による事業の必要性自体について見直し、基金の返還についても検討してはどうか」などの議論もあがっていた。

 また、労働保険特別会計について「雇用安定事業、能力開発事業について、多額な保険料が財源として確保されているため、私のしごと館等の無駄が指摘されている事業が行われた。また積立金(雇用安定資金)も過去最高水準の1兆2000億円にも積み上がっている。よって、保険料率(現行は使用者0・3%)を引き下げるべきである」。また、「失業等給付については、保険料収入だけで黒字収支のなか、毎年多額の税財源も投じられた(平成20年度予算1612億円)ため、過去最高水準の5兆4000億円もの積立金を保有。厳しい財政事情を踏まえると、この国費投入は行うべきではない。さらに雇用保険料(現行は労使各0・6%)を引き下げるべきである」とした。