自民党の石破茂幹事長は衆議院選挙区候補を都道府県連で一般公募する仕組をとっているが、「2世であるから優位ということがないようにしなければならないと強く思っている」と14日のNHK日曜討論で候補選定について「いかに公正に、公平に、(選定状況を)透明性を持って行うかが必要」と公募制度の実効をあげるよう一層努める考えを述べた。
これは一般公募しながら、結局、政治家2世が候補者に決まっていくケースが相次ぎ、手続きだけで形骸化しているのではとの批判のあることを受け、公募制度について聞かれ答えた。
石破幹事長は「政治家の息子さん、娘さんであっても。あってもというのは変な言い方だが、ほんとに素晴らしい方がいる。ですから、候補を選ぶときに、そこの支部の党員の皆さんの意見をききましたかということが大事。できレースでなく、ごく一部の人で決めてしまったというのではなく、その人が何をしようとしているのか、どのような見識を持っているのか。そのことをちゃんと明らかにしたうえで、いや、私も出るよということであれば、同様に何をしようとしているのか、どのような見識を持っているのかをその方にも披瀝していただいて、党員すべての人に、この候補でいいかどうか、手続きをふむことが大事」と語り、これに努めるとした。
自民党福岡県支部連合会では今月30日まで福岡2区の候補者を公募しており、日本国籍者で福岡出身か在住経験のある満25歳以上の人を応募資格にしている。審査基準では選挙委員が審査するとし、党の基本理念・綱領に賛同し、21世紀の政治を考え、活動できる人。日本を愛し、広い見識を持ち、人格にも優れた人、選挙区内で挙党体勢を組める者としており、挙党体勢を組める者というのは一般人には分かりにくい審査基準といわれる可能性もある。
一方、長野県支部連合会では長野1区で17日まで公募しており、日本国籍者で1区か長野県に関係があり、満25歳以上60歳未満の人なら、党籍を問わず応募を受け付ける。審査基準は党の理念・綱領に賛同し、将来の自民党創造に意欲があり、幅広い見識と情熱のある人で、果敢な行動力と卓越した政策能力のある人、長野県民の声を党の政策に反映できる人としている。適任者がいなかった場合には再公募することもあるという。
広島県支部連合会では4区の候補者を14日まで公募した。15日に書類と論文で審査し、通過者に対して20日に面接をする予定。応募者は広島出身かゆかりのある人で日本国籍の25歳以上の人で、4区選挙区内で有権者20人以上から推薦を受けた人たち。審査基準は党の基本理念・綱領に賛同し、日本を愛し、自由と民主主義を愛し、優れた政治感覚と政策能力を有し、清心、清潔で幅広い見識を有することとしている。
すべての党員にこの候補でいいのか、その声を聞くことが大事とした石破幹事長の気概。 今後、公募で決まっていく候補者選定結果が石破幹事長のいう公平・公正・透明をどこまで徹底し、反映していけるのか、関心があつまることとなる。(編集担当:森高龍二)