移動体に対するデジタル衛星放送サービスや受信機の販売などを行ってきた東芝の連結子会社モバイル放送は来年3月末で放送サービスを終了し、解散すると7月29日、発表したことを受けて、同社のサービスを受けている会員が10万人に上っていることから、総務省は総務省情報流通行政局長名で、同社に対し、加入者保護に向けた対応を7月30日までに要請した。
要請は「貴社の提供する有料放送サービスについては、現時点で相当数の加入者が存在することから、同サービスを終了するに当たっては、あらかじめ十分な期間をもって周知を行うなど、加入者への説明を適切に実施し、加入者の理解を得ながら事業整理を円滑に進めていただきたい」というもの。
モバイル放送は1998年5月に発足。2004年10月から放送サービスを開始し、資本金は368億6795万円に上っていた。東芝は株式の36・9%を保有する筆頭株主になっており、残りの株は89社が保有していた。
解散の理由について、同社は、当初200万人の会員獲得を目標に事業展開してきたが、実際には10万人に留まったことを最大の要因にあげた。また「無料で視聴できるワンセグ放送の開始等も、十分な会員数獲得にいたらなかった要因にあげている」。東芝は放送事業終了に伴う今年度の費用として250億円程度を見込んでいる。
モバイル放送は、資本金1998年5月に設立。株主は東芝(36・9%)他89社。2004年から放送サービスを行っていた。