トラック等補助ブレーキ装置海外事業拡大へ住金

2008年06月23日 11:00

 住友金属は、トラック・バス用補助ブレーキ装置・永久磁石式リターダの海外での事業拡大のため、フォイト ターボ社(本社ドイツ・ハイデンハイム市)と合弁会社・フォイト ターボ エスエムアイ テクノロジーズをドイツ ハイデンハイム市に設立した。

 合弁会社は、新型永久磁石式リターダの開発、生産、販売を行う。資本金は約1億8000万円。出資比率はフォイト ターボ社51%、同社49%。

 同社では「従来、車重の大きいトラック・バスのブレーキを補助する装置として排気ブレーキが使われてきたが、昨今、CO2削減や燃費向上といった環境面からエンジン排気量が小さくなり、排気ブレーキの性能が低下するため、代替する補助ブレーキとしてリターダの採用の拡大が期待されている。日本の大型トラック・バスのリターダの装着率は約40%で、その大半は当社の永久磁石式リターダ。海外に進出するために、リターダの認知度が高い欧州において高いシェアを持つフォイト ターボ社と合弁会社を設立し、当社の永久磁石式リターダ技術を駆使して、小型・軽量化した新型モデルの開発を進め、フォイト ターボ社のグローバルな販売力とドイツの生産拠点を活用し、欧州などのトラック・バスメーカーへの本格参入を目指す」という。住友金属の国内でのリターダ事業シェアは約80%(同社推定)。

 永久磁石式リターダは同社グループが開発した世界最高級のネオジム系永久磁石の強い磁力によって、車の駆動軸であるプロペラシャフトの回転を抑止して制動させるタイプのリターダ。比較的小型・軽量で、トルクは小さい。