アジア共通マルチIC乗車券の開発・実験開始

2008年05月22日 11:00

 アジア共通のIC乗車券の相互利用に意欲的な日本、韓国、香港、シンガポールなどのIC乗車券事業者などによる民間主体のワーキンググループの第1回会合が5月20日、大阪で催され、アジア各都市で導入されているIC乗車券の通信・データ規格と日本のIC乗車券の通信・データ規格の双方に対応できるマルチIC乗車券の開発・実験を始めることで合意した。会合にはスルッとKANSAI、西日本鉄道、韓国スマートカード社、香港オクトパス社などの関係者らが参加した。

 これは昨年11月2日にシンガポールで開かれた日本とASEAN交通大臣会合で「アジア共通IC乗車券導入プロジェクトに関し、2008年の実証実験に向けて連携していく」とされたことを受けて具体化に動き出したもの。

 現在、日本では東京、大阪でSuicaが2311万枚、Pasmoが661万枚、ICOCAが337万枚、PiTaPaが113万枚利用されている。一方、韓国では釜山で2種類1369万枚、ソウルでは2種類3374万枚、中国では北京で1418万枚、上海で2568万枚、深で100万枚、香港で1400万枚、シンガポールで900万枚、タイ・バンコクで3種120万枚などが利用されている。マルチIC乗車券が開発されれば、旅行者の需要開拓にも大きく貢献しそうだ。