松下電器が樹脂被覆の配線や金属混入の樹脂から金属だけを回収する技術に成功

2008年03月04日 11:00

 松下電器産業株式会社と株式会社松下エコテクノロジーセンターは家電製品についている樹脂で被覆された配線や金属の混入した樹脂から金属だけを回収することができる技術を開発した。

  これは触媒反応を用い、有機物を無害ガス化し、無機物を取り出す技術で草津電機株式会社が協力。

  新技術は(1)触媒として用いている酸化チタンの酸化力を利用して樹脂を完全分解し、無害な状態にまでガス化(2)独自のシステムで樹脂被覆や混合プラスチック材を触媒に接触させ、ガス化し、残留物として有価金属を回収(3)触媒反応により発生した自熱で反応が進行するため、外部からの加熱が不要(4)反応温度を最適化(500℃)するための冷却水は、温水として別途活用が可能(5)塩化ビニル処理で発生する塩化水素は、石灰による中和処理を付帯した。

  同社は「焼却・埋め立て処理されている混合プラスチック材を安全にガス化でき、廃棄物のゼロエミッションにもつながる」と説明。さらに自己反応熱で処理が進むことから、外部からのエネルギー供給がほとんど不要で、処理時の二酸化炭素(CO2)削減にもなると話している。

  将来はこの技術で、松下エコテクノロジーセンターにおける「混合プラスチックダスト」の全廃を目指す。また、社内外のリサイクル関連事業場、さらには生産事業場への展開についても検討を進める意向だ。