京都オパールという京セラ<6971>が開発した装飾用素材が、トヨタ<7203>のレクサスの新型ISのオプション「プレミアムクロック タイプL」に採用された。京都オパールはアナログ時計の文字盤に使用されており、ほのかな青い輝きが、時計の高級感を演出すると京セラはしている。
この京都オパール、あまり聞き慣れない言葉だが、天然のオパールと同じ外観と内部構造を持っているもので、これは天然オパールと同一の石英粒子をもとにし、京セラ独自の宝石合成技術によって実現された。天然オパールと同様の多彩な輝きを持つ。また、さまざまな形状に加工することが可能なため幅広い分野で注目を集めている装飾用素材だ。遊色効果を醸し出すオパール構造の創出は、世界に例はなく成型された樹脂製品では真似ることはできないだろう。これまでにも、京都オパールはペンダントトップ、めがね、食器、楽器など、製品をワンランク上へと差別化をするワンポイントとして幅広い分野の製品に使用されてきたとのこと。今回、京都オパールの遊色効果が生み出す特有の輝きが、レクサスISの高級感を演出する上品でラグジュアリーな時計の文字盤にふさわしいものとして評価され採用へと至ったという。
そのレクサスだが、スピンドルグリルと呼ばれる糸巻き型のフロントデザインが、ブランドの統一シンボルとなっており、今回のISのモデルチェンジで、ほぼすべての車種が、“スピンドルグリル顔”となった。このスピンドルグリルのデザインは挑戦的でアグレッシブなものだ。以前のトヨタは、よくも悪くも平凡なデザインが多かったのだが、レクサスシリーズにおいては、ブランドイメージを明確化するためにあえてこのような戦略をとったのだろう。しかしながらユーザーの評判は賛否両論である。確かに、レクサスが今まで築いてきた高級車然としたデザインからはかけ離れているし、そういう意味では、この攻撃的な“スピンドルグリル顔”と、京都オパールはミスマッチかもしれない。しかしながらブランドとは、賛否両論などの外部の声もまた滋養として成長していくものである。筆者としては、ここはじっと辛抱してこのスピンドルグリルを変更したりせずにより豊潤なブランドへとレクサスに変貌してほしいと願っている。(編集担当:久保田雄城)