純国産スーパーカー「レクサスLFA」、最後の1台生産完了

2012年12月27日 01:31

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トヨタ自動車は、2010年末から生産を続けてきたレクサスLFAの生産を12月14日に終了したと発表した。

 トヨタ自動車 <7203> は、2010年末から生産を続けてきたレクサスLFAの生産を12月14日に終了したと発表した。といってもレクサスLFAは発表当初から500台に限り発売するとあらかじめ生産台数が決められており、その最後の1台が「LFA工房」と呼ばれる専用の拠点で生産されたことを意味している。
 
 レクサスLFAは2000年に本格的な開発がスタート。2000年代半ばに試作車による走行テストが始まる一方で、日本、北米などの自動車ショーで進捗状況が発表され、その都度話題になった。市販前の数年はヨーロッパの耐久レースにも参加。着実に市販に向けての準備を進め、市販1号車は前述したとおり2010年12月に完成した。
 
 搭載された4805ccV型10気筒エンジンは560馬力を発生。ボディの65%に加工の難しいCFRPを使用し、従来のアルミボディよりも100キロの軽量化にも成功し、公表された最高時速は325キロだった。そして2012年1月からは、よりサーキット走行向きにアレンジされた「LFA ニュルブルクリンクパッケージ」も生産していた。

 ある業界関係者に話を聞いてみると、「トヨタ方式という言葉があるように、とかく生産効率などが注目されるトヨタ自動車ですが、LFAは技術力の高さ、製品作りの確かさといった部分を世界に向けてアピールできた車だったと思います。ハイスペックでありながら、同じクラスのいわゆるスーパーカーと比べてエコ性能も高いのがLFAの特長ですね。トヨタの本気は、こういう“すごい”車でも発揮できるということをあらためて世界が知ったのではないでしょうか」と語ってくれた。

 500台の内、日本国内に割り当てられたのは160台あまり。価格は消費税込み3750万円で、ヨーロッパのスーパーカーの価格と肩を並べるレベルだったが、「儲けは度外視したクルマでした」と先の関係者は分析している。このレクサスLFAで採用されたCFRP生産のノウハウなどは、今後の量産車開発に生かされていくという。またホンダ から独自のハイブリット技術を駆使したスーパースポーツカー次期NSXの発表がうわさされており、方式の異なるハイブリット技術で世界を席巻しているトヨタとしても、LFAの「次」は十分に考えられるが、まだ今後の動きは見えてこない。(編集担当:帯津冨佐雄)