プレッピーたちは今もアコードが好きか?

2013年06月30日 13:02

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ホンダは、30.0キロメートル/リッター(JC08モード)の低燃費の新型「アコード・ハイブリッド」を発売した(画像は昨年12月に展示されていたアコード)

 プレッピーという言葉はもはや、死語なのかもしれない。プレッピーとは、米国で名門私立高校(preparatory schools)に通う良家子息に対する俗称で、一言でいうと上質の服などを無造作にドレスダウンして着るのを好むような、ちょっと斜に構えたタイプの人々である。小説でいうと、まさに「ライ麦畑でつかまえて」の主人公・ホールデン・コールフィールドだ。そしてアコードといえば、そのプレッピー出身の御用達グルマとしても知られたクルマである。「メルセデスを手に入れる経済力はあるが、あえて、ホンダ(アコード)に乗っているんだ、クールだろ?」とかつて、筆者は知人の本物のプレッピーにいわれたことがある。それだけ当時のアコードには彼らに訴えるなにかがあったのだろう。

 ホンダ<7267>は、30.0キロメートル/リッター(JC08モード)の低燃費の新型「アコード・ハイブリッド」を発売した。また、同車をベースに、家庭用電源からの充電を可能にした同時発売の新型「アコード・プラグイン・ハイブリッド」は、実に70.4キロメートル/リッター(JC08モード)という低燃費を実現した。このタイプは法人企業や官公庁などを中心に、リース販売が開始されている。このアコード・ハイブリッドは、「楽しさ」「低燃費」を高次元で両立させたという新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を採用したホンダ独自のハイブリッドシステムを搭載している。発進と低中速域での走行は主にモーターだけで走行し、加速時などはエンジンで発電しモーターで走行、高速クルーズは主にエンジンで走行するなど、EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブの3つのモードを自動的に切り替えて走行することで、軽自動車のトップクラス並みの低燃費を実現した。また、発進の瞬間から最大トルクを発生させるモーターで走行することで滑らかで力強い加速性能を発揮し、今までにない新次元の運転感覚を味わえるという。またアコード・プラグイン・ハイブリッドは、高出力・高トルク走行用モーターを搭載したこのシステムの特性を活かして、大容量のリチウムイオンバッテリーと組み合わせた新開発のプラグインハイブリッドシステムを搭載している。フル充電で日常的な走行の多くをカバーできるEV走行距離37.6kmを達成している。EV走行可能距離がゼロになった後も、ハイブリッドモデルと同様の高効率走行が可能である。価格は365万円~500万円となっている。

 このアコード・ハイブリッド、日本仕様と北米仕様ではエクステリアデザインが異なっている。日本仕様はメッキのデコレーションが強調された、最近のメルセデスベンツにも通じる押し出しの強いものとなっているが、それに比べると北米仕様は、とてもすっきりしたクリーンなイメージを打ち出しており、ある意味で初代アコードにも通じるところがある。どちらがよいかというのは、もちろん個人の好みによるものだが、少なくとも洗練されたシンプルさともいうべきフロントマスクを持った北米仕様の方が、プレッピーの好みであることに間違いない。いや、米国のホンダの顧客には今もプレッピーが多いのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)