カーシェアリングでベンツに乗れる日が来る?

2013年06月23日 18:35

 カーシェアリングというと会員登録が必要ではあるものの30分、1時間といった短時間のちょっとした利用も可能なので、レンタカーより気軽に使え、多くの場合は料金も安価である。また利便性が重要視されるので使用される車種も三菱自動車<7211>の軽自動車「アイ」、ホンダ<7267>の「フィット」などのコンパクトカーや、今の時代の気分に合うハイブリッド車のホンダ「インサイト」、あるいは電気自動車の日産自動車<7201>の「リーフ」などが中心となっている。ヨーロッパの輸入車などはお門違いというイメージがこのカーシェアリングにはある。

 そんな中、メルセデス・ベンツ日本とオリックス自動車がカーシェアリング事業で協業する。もっとも、オリックス自動車の大阪・梅田のカーシェアリング拠点のグランフロント大阪ステーションに、「スマート・電気自動車」と「スマート・フォーツークーペ mhd」の各1台を導入するだけなので、まずは、“手始めに”といったところだろう。しかしながら15分150円(通常は200円)からの破格値で提供するとしている。これは、メルセデス・ベンツ日本にとって初のカーシェアリング事業者との提携であり、その強い思い入れがわかる価格設定である。オリックス自動車のカーシェアリング事業は、2013年3月末の時点で、会員数約8万6千人、保有車両台数は約1800台で、ステーションの数は約1100ヶ所。

 「スマート」は、2人乗りで全長は2.6m足らず、全幅は1.52mに満たないマイクロコンパクトカーの草分けで、メルセデス・ベンツ・ブランドではない。今回の試みの先にあるものは、もちろんメルセデス・ベンツのカーシェアリング事業への本格的な参入だろう。実際に両社は、スマートだけではなくメルセデス・ベンツのシリーズでも今後、提携していきたい考えだという。ということは、ちょっとスーパーへのまとめ買いのために、カーシェアリングを利用してメルセデス・ベンツ乗って出かけていく、という日が来るのだろうか。(編集担当:久保田雄城)