創立50周年企業の環境対策

2013年07月27日 19:59

 環境報告を行う際の実務的な手引きとして、環境省から「環境報告ガイドライン」が発行されたのは2007年6月のこと。それから6年後となる12年には、07年版をベースに国際動向を踏まえた改訂版が発行された。

 各企業や団体は、この改訂版のガイドラインを元に、各社の環境対策などの取り組みに関する情報発信を積極的に行っているが、これをみると各社の意気込みもよくわかる。

 例えば、今年創立50周年を迎えるキユーピー<2809>では、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって食生活に貢献するとしており、安全な商品で安心を約束することが食品メーカーとしての使命であり、原点であることを打ち出している。具体的な取り組みとしては、主原料である卵を殻も含めて最大限に有効活用することに努めているほか、野菜についても、運搬や加工時のダメージを極力抑え、廃棄ロスを削減するための技術開発を進めているという。

 また、同じく創業50周年を迎えるパナホーム<1924>では、創業以来、「住まいは人間形成の道場」という、パナソニックグループの創業者である松下幸之助の家づくりに対する熱い想いを原点に、新中期計画がスタートした本年度はさらに「スマートなくらしの価値を生み出すOnly Oneの住生活企業」をテーマにおいて、環境貢献と事業拡大を一体化した成長戦略を積極的に展開していく方針だ。

 同社では、パナソニック製の創蓄連携システムや「AiSEG」対応機器を制御する「スマートHEMS」などのエネルギー技術を導入し、耐震性や断熱性に優れ、自然エネルギーを活用するスマートハウス「スマート・パナホーム」を2012年度に発売。スマートハウスと街並み設計、住民向けサービスを充実させた分譲住宅団地「パナホーム スマートシティ」の展開を加速化してきた。

 2013年は、創業50周年記念商品として、太陽光発電パネルそのもので屋根を構成し、機能的で斬新な外観デザインが印象的な次世代スマートハウス「エコ・コルディス」を3月に発売するなど、先進の環境性能と多彩な提案を積極的に行っている。

 創立50周年を迎えた企業2社の取り組みを見ていると、これからの企業活動にとって環境への取り組みは、社会貢献という枠をはるかに越えたイノベーション事業であることがよくわかる。さらには、商品そのものをエコ化するだけでなく、製造ラインや人材も含めた環境対策が必要であり、それが企業にさらなる発展をもたらしてくれる原動力となるのだろう。(編集担当:藤原伊織)