2013年「東京モーターショー」で注目の2台とは

2013年08月03日 13:53

 2012年秋に販売を終了したダイハツ・コペンは、日本に残された唯一の軽自動車2座オープンスポーツだった。それ以前の1980年代後半から90年代前期のバブル経済からその崩壊に至る頃、軽自動車でフロントミッドシップ後輪駆動(FR)の2座オープン、スズキ・カプチーノ。完全ミッドシップ・リアドライブ(MR)2座オープンのホンダ・ビート。ミッドシップ(MR)でガルウイングドアの2座スポーツ、マツダ・オートザムAZ-1などが発売され人気となった。ご存じのとおり、それら軽2座スポーツ車は次々に姿を消す。

 そんななか1999年の東京モーターショーでダイハツブースを賑わせたのが参考出品されたコンセプトカー「KOPEN」。軽自動車の2座オープンスポーツだった。搭載するエンジンは軽自動車としては異例な直列4気筒DOHC+ツインターボという贅沢なスペック。駆動方式はFFだ。このショーモデルは喝采を浴び、2001年の東京モーターショーでは市販前提のモデルが「Copen」の名で登場、翌年から販売。以後、10年以上にわたって生産され、海外向けの1300cc車を含めると6万6000台以上の「Copen」が生産された。

■2011年の東京モーターショーの「D-X」は次期「Copen」

 2011年、お台場の東京ビッグサイトで開催となった東京モーターショーに登場したダイハツ「D-X」が次期「Copen」であることは間違いのない事実だ。さらに、翌2012年のジャカルタで行われたインドネシア国際モーターショーではダイハツ「D-R」としてデザインの異なるモデルが登場した。が、2台ともにメカニカルな部分は共通だ。

 エンジンも世界的なエンジン・トレントに沿ってダウンサイジング。ただし排気量ダウンではなく。従来の「Copen」の4気筒エンジンが2気筒となる。新型2気筒エンジンはコンパクトで軽量、当然部品点数も少ない。これはコストダウンに繋がる。この2気筒をターボで過給してスポーツユニットとして「Copen」に搭載する。2気筒には「振動」が大きいという弱点があるが、この辺りをどう克服するか、技術力の見せ所である。この次期「Copen」は、今年の東京モーターショーでワールドプレミアとしてお披露目され、来年早々に販売されるようだ。

■一方のホンダ、「Beet」復活か?

 やはり、2011年の東京モーターショーでホンダブースに展示されたホンダ「EVスター」が新型「Beet」のスタディモデルであることは、業界が認める周知の事実。2011年の発表では電気自動車のスポーツコンセプトモデルとして発表したモデルだ。

 ホンダは「N BOX」「N ONE」で現在大成功を収めている。そこで、新型軽自動車のスポーツモデル、すなわち次期「Beet」は「N SPORTS」という名前となりそうだ。心臓部はN ONEなどに搭載する直列3気筒+ターボで、この高性能なパワーユニットをドライバー背後に搭載する完全なミッドシップレイアウト(MR)となるのは確実。トランスミッションには硬派な6速マニュアルの用意もあり、サスペンションも本格派スポーツモデルとして設計されるようだ。最初から登場はしないだろうが、デビュー1〜2年後には最強スポーツグレード「Type R」がラインアップされるかもしれない。このコンセプトカーも今季の東京モーターショーで出品されそうだ。

 手軽に2シーターオープンを愉しむ「Copen」と硬派な軽スポーツの最右翼「N SPORTS」、東京モーターショーの楽しみを増やしてくれる2台だ。(編集担当:吉田恒)