靖国神社遊就館・軍事博物館 戦闘散花は英雄

2013年08月16日 08:28

 終戦記念日の15日、みんなの党の渡辺喜美代表は談話を発表。「みんなの党は戦時体制を賛美し、復古調の古色蒼然たるレトリックを駆使する論調が高まっていることを危惧する」とし「戦時体制回帰の復古派とは一線を画していきたい」とした。

 日本共産党の志位和夫委員長はA級戦犯を合祀する靖国神社について「靖国神社は過去の日本の侵略戦争を自存自衛、アジア解放の正しい戦いと丸ごと美化し、宣伝することを存在理由とする特殊な施設」との認識を示した。

 そのうえで靖国神社にある遊就館(軍事博物館)について「平成25年特別展でも太平洋戦争をアジア諸国の解放と共存共栄の新秩序を確立するという理想に燃えた戦いとして美化している」と問題視した。

 確かに、さきの戦争を侵略戦争とし、歴史的反省において1995年8月に当時の村山総理が「日本が植民地支配と侵略によって、多くの国々、特にアジア諸国に対し多大の損害と苦痛を与えた。こころからお詫びの気持ち」を表明し、1998年に小渕総理も村山談話について再確認した姿勢が現在の日本政府の立場であるにもかかわらず、遊就館特別展は「昭和17年6月のミッドウェー作戦から18年後半までの攻防の転換期の戦闘で散花された英雄のご遺書・ご遺品などを公開展示」と紹介し「英雄」扱いにしている。また遊就館展示室のコーナーには東京裁判や各地の軍事裁判で処刑された人らの遺品や史資料も展示され「ご祭神」として紹介していることには、一宗教法人の活動とはいえ、対外的に発信した村山談話(日本の立場)との間に整合性がないと感じるのが自然だろう。(編集担当:森高龍二)