昨年9月にiPhone5が発売されてから、約10ヶ月が経過した。発売からわずか3日間で世界での販売台数が500万台を突破するなど話題を集めたiPhone5。日本でもauとソフトバンクが、主にLTEサービスをめぐって様々な施策を展開してきた。発売から約10ヶ月がたった今、日本のユーザーはiPhone5をどのように評価しているのか。
株式会社クロス・マーケティングが全国の18~59歳の男女(iPhone5購入者)を対象に調査を実施したところ、総合満足度はソフトバンクが優勢となった。iPhone5の総合満足度(「とても満足」と「満足」の合計)を両社で比べると、auは「満足」が64%、ソフトバンクは同76%となり、ソフトバンクがauを大きく引き離した。一方、「不満」と回答した人はauユーザーの13%にのぼるが、ソフトバンクでは3%にとどまった。
では、auユーザーはiPhone5のどこが具体的に不満なのか。2社間で大きな差がついたのは「LTE」(4G)に関する項目だった。「LTEの電波状況」については、auの満足度が34%であるのに対し、ソフトバンクが49%。auに対しては、「LTE通信の電波が悪い」「パケ詰まりがある」「『○』が表示され通信速度が遅くなる」といった不満が多くあげられた。
本体価格やパケット定額料金、毎月の支払額などについては2社間で大きな差が見られなかったため、満足度の明暗を分けた要因は「LTEの電波状況」にあることが分かる。
auは今年5月、LTEの通信エリアの拡大計画を過大に表示したとして、消費者庁から再発防止を求める措置命令を受けている。また6月にはLTEの通信障害が相次いだ問題を受け、影響のあったユーザーに対して7月以降、通信料から700円を値引きする方針を明らかにした。
こうした問題の影響からか、auでiPhone5を購入したことを「後悔している」ユーザーは13%と、ソフトバンクの約3倍にのぼった。
巷では次に発売されるiPhoneの新モデルについて様々な憶測が飛び交っているが、auが今のユーザーを繋ぎ止めるには、まず「繋がりやすさ」の改善が必要かもしれない。(編集担当:北条かや)