現在、アップルの主軸製品、iPhoneは120の国と地域で手に入れることができる。
国内でのスマートフォン市場のメーカー別シェアは、アップルが33.1%で首位。その後に、富士通18%、シャープ14%と続く(2012年1月—12月)。また米国市場でも、同じくアップルが39%で首位。2位はサムスンで21.7%となっている(2013年1月—3月)。これがiPhoneを巡る、日米の状況である。
さて、日本国内では、ソフトバンクとauがiPhoneを扱っているが、その二つのキャリアに加えて、果たしてNTTドコモが今後IPhoneを導入するのか?ということが業界での長く大きな関心となっている。
ここで、NTTドコモ首脳陣のiPhoneに対する発言をいくつかみてみよう。2年前のNTTドコモの株主総会では当時の副社長が「iPhoneを導入する予定はない」と明言していたのだが、今年の1月のインタビューで加藤薫社長は、「我々は『iPhoneは扱わない』とは言っていないということです。魅力的な端末ですし、私の頭の中にはいつも(iPhoneのことが)あります」と、発言している。
4月26日の同社の2013年3月期決算説明会において、同社長は「(IPhoneは)日本において魅力的な端末であることに変わりはないが、今のところ従来と変わった情報はない」とコメントしているものの、風向きが変わってきているのは間違いないだろう。
2012年度の携帯電話の契約実績は、純増数はソフトバンクが353万600件で3年連続の首位となり、2位がauの260万200件、そして、大手3社の中で最下位となったのがNTTドコモだ。純増数は、ソフトバンクの半分以下の140万600件でしかなかった。
番号持ち運び制度(MNP)による契約者の転入出状況をみると、NTTドコモが141万300件の転出超過となったのに対し、auは101万500件の転入超過だった。これはauが2011年10月にiPhoneの販売を開始した効果が如実に出ていると見てよいだろう。
auのiPhone導入効果やNTTドコモの大きな転出超過をみると、やはりiPhoneを扱っていないことがNTTドコモの痛手の一因となったことは確かだろう。
また昨年6月に新社長に就任した加藤薫氏からすれば、こういった状況を含め、初年度から業績予想の下方修正を余儀なくされたりと、最悪のスタートだったといっても過言ではない。
そこで、このような現状を考えていくと、今年の夏に登場が噂されているiPhoneの時期モデル5S(もしくは6)からNTTドコモが起死回生として、iPhoneの導入を開始する可能性は高いと考えてよいのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)