2012年5月、日本郵便株式会社(旧郵便事業株式会社)が提供するサービス「ゆうパック」の配達遅延などを理由とし、サークルKサンクスがヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマト運輸株式会社と業務委託契約を提携し、6月よりサークルKサンクスにて「宅急便」および「クロネコメール便」の取扱を開始。ゆうパックから宅急便への切り替えを行った。
また、ヤマト運輸株式会社は、12年6月をもって「クロネコメール便」のB4サイズの受付を廃止し、メール便はA4サイズ1本のみの取扱とした。同社はB4サイズの取扱量は全体の1パーセント程度であったと発表しているが、1通あたりの料金が160円(厚さ1センチ以内、)と低価格設定であったのに対し、B4サイズという大きさから郵便ポストに入らないことが多く、不在時の再配達コストなどを考えての判断であったと考えられる。
国土交通省が発表した「平成24年度宅配便等取扱実績」より12年度の宅配便取扱業者の実績を知ることができる。宅配便取扱個数は、35億2,600万個(うち、トラック運送 34億8,596万個、航空等利用運送 4,004万個)で、前年度と比較すると、3.7パーセントの増加。メール便取扱冊数は、54億7,135万冊で、前年度比2 5パーセントの増加であった。
業者別でみると、宅配便(トラック運送)では、ヤマト運輸株式会社の宅急便が取扱個数14億8,754万個で前年度比104.5パーセント。佐川急便株式会社の飛脚宅配便は13億5,651万個、104.4パーセント、日本郵便株式会社のゆうパックは3億8,221万個、99.7パーセント。メール便では、日本郵便株式会社のゆうメールが取扱冊数310,124万冊で前年度比108.0パーセント。ヤマト運輸株式会社のクロネコメール便は211,293万冊、前年度比96.6パーセント、佐川急便株式会社の飛脚メール便は8,512万冊、78.4パーセントであった。
これらから、日本郵便株式会社は宅急便では苦戦しているものの、メール便では着実に実績を伸ばしていることがわかる。また、ヤマト運輸は単価の安いメール便では前年度を下回っているが、宅急便ではトップを走り、業務提携を結ぶコンビニエンスストアの出店数の増加に伴い、今後も業績を伸ばしていくことが考えられる。
私たちの生活の中で、いまや宅配便は欠かせない。ネットショッピングやオークション、そして、旅行や帰省、出張などの移動時に自動車を使う機会が減ったことにより、荷物を宅配便で送るということも多くなった。宅配便取扱件数は、今後ますます増えていくであろう。(編集担当:中村小麦)