バイト先での「悪ふざけ投稿」なぜ盛り上がる?

2013年08月19日 16:04

 ローソンのアイスクリーム販売ケースに従業員が入った写真がフェイスブックに投稿され、「炎上」した事件から約1ヶ月。それ以降も、ステーキ店員が厨房の冷蔵庫に入った写真や、ラーメン店の従業員が食材のソーセージを口にした写真がツイッターで公開されるなど、アルバイトたちによる「悪ふざけ投稿」が止まらない。

 株式会社リビジェンが10~20代の若者にアンケート調査を行った結果、アルバイトや勤め先で悪ふざけを「したことがある」若者は11.4%だった。約1割の若者が、何らかの悪ふざけやいたずらを経験していることになる。一方、「ない」は83.2%、「覚えていない」は5.4%だった。

 アルバイト店員による「悪ふざけ」に限っていえば、一部の従業員によるいたずらは当然ながら、昔から一定数は存在してきた。サービス産業が発達するにつれて、コンビニエンスストアや外食チェーンは若者のアルバイトを大量に雇用してきたからだ。

 だが2000年代の後半以降は、SNSの発達によって、その「悪ふざけ」がより可視化されやすく、また批判されやすくなっている。こうした傾向が強まったのは2007年、吉野家のアルバイト店員が商品の豚肉を大量に盛った「テラ豚丼」をニコニコ動画に投稿し、「不衛生だ」との批判が集中したあたりからかもしれない。

 調査では、「SNSに投稿する際、知人以外の人も見る可能性があることを意識しているか」という問いに対し「意識している」若者は8割を越えた。だが一方で、「どちらともいえない」は10.6%、「あまり意識はしていない」は6.6%、「全く意識はしていない」は2.2%だった。こうした一部の層が、SNS上での「悪ふざけ」の中心となっている可能性はある。

 それにしてもこれだけ「炎上」事件が相次ぐ背景には、それらを「楽しみたい」という人々が多く存在するのもまた事実だろう。彼らを批判することで、批判する者は自動的に「正しい側」に立つことができる。こうしたいわば「需要と供給」があいまって、昨今の炎上事件は盛り上がりを見せているのかもしれない。(編集担当:北条かや)