田村憲久厚生労働大臣は年収800万円以上の一部大手企業のホワイトカラーなどを対象に労働基準法の労働時間規制対象から外す特例制度の実験導入について直近の記者会見で「企業活動の柔軟性を図っていくことと労働者の健康や生活時間等々の確保をしっかりと確保していく点などバランスを考えなきゃいけない話」とし「労働政策審議会の方で議論頂く案件だ」と導入には慎重な審議が必要との認識を示した。
田村厚生労働大臣は「国民的な理解をどのように得ていくかというような問題がホワイトカラーエグゼンプションにはある」との認識を示し「労働者の方々の職場環境に大きく関わる問題なので労働政策審議会の方で議論頂く案件だ」とした。
ホワイトカラーエグゼンプションは時間外労働への残業代の支払いや休日、深夜労働に伴う割り増し賃金の支給を義務付けている労働基準法の労働時間規定をホワイトカラーの一部に適用しないで、多忙な時期に集中的に仕事をし、閑散期にまとめて休みをとるなど、労働形態に柔軟性を持たせることにより、生産性を高めようというもの。経済団体などから制度導入へ働きかけが出ている。
一方、野党や労働界からは「ホワイトカラーエグゼンプションは残業代不払い法案で過労死促進法案」との批判もある。野党から批判もでている。いずれにしても、時間をかけて審議すべき重要案件で国際競争力強化のための生産性向上に必要などの視点で安易に進められるものでないことは確か。(編集担当:森高龍二)