食品廃棄物原料のバイオマス樹脂を用いた自動車部品を開発 三菱自

2012年09月26日 11:00

 三菱自動車が群栄化学工業および新神戸電機と共同で、植物由来材料であるカシューナッツシェルオイルを用いたバイオマスフェノール樹脂の自動車部品を開発したと発表。軽自動車用エンジンのオイルフィラーキャップとして、秋の製品化を予定しているとのこと。

 自動車部品に広く使用されている石油由来材料の代替策として「グリーンプラスチック」の研究・開発を推進している三菱自動車。すでに、「綿/PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維 内装表皮材」や「バイオPE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)繊維フロアマット」等を製品化しており、「i-MiEV」や8月発売の新型グローバルコンパクトカー「ミラージュ」に採用している。

 食品廃棄物であるカシューナッツの殻から抽出・精製され、塗料や摩擦材等の用途に広く用いられているカシューナッツシェルオイル。新たに開発したバイオマスフェノール樹脂は、一般的なフェノール樹脂に使われている石油由来原料の一部をこのオイルと置き換えることで化石資源節約とCO2削減を可能としており、ライフサイクル全体でのCO2排出量試算では、化石資源由来のフェノール樹脂を用いた従来品と比較して約12%の削減を実現しているという。本樹脂は耐熱性が高く、これまでフェノール樹脂を用いてきたエンジンルーム内の耐熱樹脂部品(オイルフィラーキャップ、断熱材、プーリーなど)への応用が可能とのこと。

 富士経済の調査によると、バイオマス利活用市場は2010年度の1218億円から2015年度には2579億円にまで拡大すると予測されている。しかし日本は、高い技術は有するものの実用化・普及といった面では他国に後れを取っているのが現状である。折角の高い技術を宝の持ち腐れにせぬよう、書く企業には積極的な展開を期待したい。