「インテル・リテール・クライアント・マネージャー」の概念図。これを使うと対象顧客を絞り込んだ戦略的なマーケティングキャンペーンをもっとも的確なときに素早く実施できる。コンテンツはエリア、天気、顧客の好みなどに応じて簡単に編成・編集が可能だ。
デジタルサイネージ(digital signage)、サイネージは記号・標識の意味。このデジタルサイネージは、映像表示装置とデジタル技術を用いた広告媒体。屋外や店頭、ビルボードなどに、液晶ディスプレーやプロジェクターを設置して広告や各種案内を表示する。通信ネットワークを利用することで、表示内容をリアルタイムで更新したり、複数の広告を配信したりすることができる。
デジタルサイネージが街で増殖している背景には、液晶モニターなどの登場によってディスプレーの画面が薄く大型で、かつ価格が下がったことが挙げられる。加えてネットワーク環境が整ったことが大きい。
これら環境の整備は、デジタルサイネージにさまざまな可能性を付与した。いまでは広告や売り場などのPOP、ホテルの宴会場・結婚式の案内など幅広い用途で使用されている。
しかし、デジタルサイネージのコンテンツ制作、サポート、ソフトウエアの管理は簡単な作業ではない。小規模な小売店や個人商店では導入したくても、なかなかハードルは高い。コンテンツを外注しても、内容の更新がうまく進行しないなど課題も多い。
こんな悩みを解決してくれそうなツールをインテルが発表した。「インテル・リテール・クライアント・マネージャー(以下、インテルRCM)」だ。このRCMを使えば、インターネット上の管理システムでデジタルサイネージを管理できるようになり、小規模ショップなどでも、パーソナル感のあるダイレクトマーケティングキャンペーンも可能となりそうだ。シンプルで直感的なインターフェイスで操作が出来、「○○新商品、ただいま入荷」などといった素早い広告展開が行なえるわけだ。また、コンテンツの制作やカスタマイズも簡単で、新規プロモーションやキャンペーンを迅速にスタートさせられるという。
このRCMではデジタルサイネージのなかに複数のコンテンツ領域を表示することも可能。加えて、それぞれのスクリーンを個別に制御することもできる。また、4Kを含む高解像度映像やAdobe Flash、静止画、Webコンテンツなど、ほぼすべてのフォーマットに対応している。
インテルRCMを使ったデジタルサイネージ・ソリューションは、ピーシーフェーズ社がオペレーションセンターを開設し、導入支援ならびに運用サポートを行なう。また、運用に必要なハードの保守サポートは東京エレクトロン・デバイス社が担当する。これらは年間契約で顧客に提供される。(編集担当:吉田恒)