バイクのイメージが強いカワサキだが、川崎重工業<7012>のグループとしては、航空機、鉄道。船舶などの輸送用機器、ガスタービンエンジンなどの、さまざまな分野で事業活動を行なっている企業でもある。
東京モーターショーでは、常務執行役員である紀山滋彦氏が、「多様なお客様の要望にこたえる」「テクノロジーの頂点を目指す」「独自性と革新性を追求する」といった、3つのバリューを提供すると語った。さらに今回のブーステーマである「世界にまだない未来を競え」というのに則り、「水素に関するテクノロジー」や「電池を動力にした三輪電動ビークル」、また「新設計のスーパーチャージドエンジン」といった、未来を創る3つのテクノロジーを同時に紹介している。
会場ではワールドプレミアが7台、ジャパンプレミアが4台展示され、その中で『Ninja』と人気を二分しているのが『Z』シリーズ。ストリートを疾走する、孤高のスプリンターとして、その独特なスタイリングが特徴だが、国内販売向けの『Z』シリーズは250ccクラスのみとなっている。輸出モデルではあるが、今回、ジャパンプレミアとして公開されたのが、フラッグシップモデルとなる『Z1000/Z1000 Special Edition』。
「凄み」をキーワードとし、低く配置され鋭い眼光を放つ4灯式LEDヘッドライトや、最近の流行りでもある、力強く盛り上がったフューエルタンク、鋭く跳ね上がったテールカウルがダイナミックなフォルムを作り出している。1043cc水冷4ストローク並列4気筒エンジンは、142ps(欧州・米国等仕様)を発生。また先進のサスペンションシステム「SFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク-ビック・ピストン)」を採用。重量物のマスの集中化によりダイレクトなハンドリングで、エキサイティングな運動性能を実現したネイキッドスポーツだ。
また同時に電池を動力源とする、世界初公開の三輪電動ビークル『J』も展示し、カワサキのグループミッションである「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“グローバルカワサキ”」を達成することを予感させてくれた。(編集担当:鈴木博之)