三井不動産 「三菱村」の日比谷地区の再開発に着手

2013年12月19日 09:24

 有楽町界隈は、三菱地所<8802>が歴史的にも力を持っており「三菱村」と言われるほどだが、ここに日本橋地区の再開発を成功させた三井不動産が進出する。

 三井不動産<8801>は、千代田区有楽町一丁目のビル跡地を「(仮称)新日比谷プロジェクト」として一体的な再開発計画を決定したと発表した。

 計画地は、日比谷公園、日生劇場や宝塚劇場、スカラ座・みゆき座などの劇場・映画館、帝国ホテル東京などの国際的ホテルを有する東京で最も華やかなエリアのひとつに隣接している。同社は、この立地条件を活かして日比谷地区を日本橋地区に続く都心におけるスマートシティ第2弾として進化させ、東京の都市再生に貢献できる街づくりを推進していくとしている。

 このプロジェクトでは、最新のBCP(事業継続計画)性能を備えたオフィス、大規模複合ビルを建設するとともに、計画地内のオープンスペースと隣接する千代田区の広場を一体的に整備することによって、広場「(仮称)日比谷ゲートプラザ」を創設する。この広場では、行政や地元関係者等との協働のもと、映画・演劇等の国際的なエンターテインメントイベントを誘致・開催する予定だ。

 また、日比谷線と千代田線「日比谷」駅の2駅間をつなぐ地下バリアフリー動線を整備し、地下広場(約1,200平方メートル)を創設し、その両側には賑わい施設を設置し、明るく利便性の高い空間を創出するとしている。

 ビジネス関連としては、新産業の創出を支援する「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」(約2,000平米メートル)を整備する。国内外のベンチャー企業や中小企業に対して、グローバル企業との交流、投資家や金融機関の紹介、ビジネスを進める上で必要な手続きの支援などを行う場を設けるという。また、ビジネスイベント等の仕掛けを行い、事業拡大や新産業創出などを支援する。

 文化施設は、天候に左右されず、また映像や音響を使用する多様なイベントに対応できる室内のイベント空間として3層吹抜の「(仮称)プロモーションアトリウム」(約800平米メートル)を整備する。映画、演劇のトークショーなどの文化イベントや、新商品プロモーションなどのビジネスイベントを行うとともに、屋外の「(仮称)日比谷ゲートプラザ」と一体となった大規模なイベントの開催も視野に入れている。

 建物6階の屋外部分は、日比谷公園を見晴らす「(仮称)日比谷テラス」として一般に開放し、カフェなどを併設した居心地の良い屋上広場空間を整備する。同階屋内の「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」と連携した新製品発表などのプレスイベントや、映画演劇のレセプションイベントなどの情報発信スペースとしての利用も想定している。

 今回のプロジェクトは2017年度に竣工する予定。これが「三菱村・有楽町」に、新しい風を吹かすことになるのか非常に興味深いところである。(編集担当:久保田雄城)