新型「VW Golf Variant」のグレード構成は2タイプで、1.2リッターTSI搭載の「コンフォートライン」と1.4リッターTSI搭載の「ハイライン」。価格は前車が269.5万円、後車が322.5万円。写真は「ハイライン」だ。
2013年6月に日本上陸した7世代目にあたる新型フォルクスワーゲン(VW)ゴルフは、2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーを輸入車として初めて受賞。その7th・VWゴルフにステーションワゴンボディの「ゴルフ・ヴァリアント(Variant)」が加わった。
VWジャパンは2013年度通期で過去最高の販売台数を記録することが確実視されており、それを支えてきたのは、「up!」「Polo」「Golf」に加えてエモーショナルな「Beetle」の「3plus1」モデルだという。そして、今回の「Variant」を加えた「4 plus1」モデルを来期、VW車販売の主軸に据えるという。
「Variant」のグレード構成は2タイプで、1.2リッターTSI搭載の「コンフォートライン」と1.4リッターTSI搭載の「ハイライン」だ。組み合わせるトランスミッションはいずれも2ペダルの7速DSG。価格は前車が269.5万円、後車が322.5万円。VW広報部の女性が「輸入車だとか、国産だとかという垣根は既にありません。本気で日本車と競争するモデルです」と語ったように、ゴルフの安全装備や環境性能、コストパフォーマンスを勘案すると、トヨタ・アベンシスあたりと完全に競合する。
その安全装備は、ABSやESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム:横滑り防止装置)をはじめ、運転席&助手席、サイド&カーテン、ニーバッグなど9つのエアバッグシステムを前車標準装備。全速度域追突回避・軽減&シティエマージェンシーブレーキ機能がついた時速30km以下で機能するプリクラッシュ・ブレーキシステム。衝突や追突などでエアバッグ・センサーが作動すると二次衝突を回避するために車両速度が10km/h以下になるまでブレーキを自動的に掛けるマルチコリジョンブレーキなどが標準で備わる。
これだけの充実した装備を搭載しながら、ハッチバック(HB)モデルと同じく大幅な軽量化が進められ、最大50kgの軽量化を図った。
当然、車体の軽量化は燃費性能の向上に繋がる。搭載エンジン&トランスミッションはHB車で既に定評のある直噴ガソリンターボ+DSGだが、アイドリングストップ機構とブレーキエネルギー回生システムを搭載した「Blue Motion Technology」を採用。JC08モード燃費で、1.2リッター車21.0km/リッター、1.4リッター車19.5km/リッターを達成する。
ヴァリアントの購入を検討している人の多くは先般の東京モーターショーで実車を確認していて、エクステリア&インテリアの質感アップに驚いていた。また、HBモデルでは間に合わなかったインフォテイメントシステムも標準化され、それに伴ってすっきりとセンターコンソールに収まる8型モニターのナビゲーションシステムが選択できることになった。
今回の「Variant」の追加で、日本に未導入のゴルフはスーパースポーツ4WD・HB「Golf R」、ディーゼルスポーツ「Golf GTD」そして、まだ本国でも発表されていない7th Golfの「Golf Variant GTI」、オープン「Golf Cabriolet」となるわけだ。(編集担当:吉田恒)