自動車(登録車)販売が前年割れを続けるなか、17カ月連続で前年を上回る富士重工業

2013年12月26日 20:07

XV Hybrid

6月に富士重として初めてハイブリッド車「SUBARU XV HYBRID」を発表し、好調なスタートを切った。このモデル購入者の91.4%が「EyeSight Ⅱ」搭載車を選んでいる。

 国内自動車メーカーが販売不振で喘いでいるなか、絶好調と言えるのがSUBARU「富士重工業」だ。

 なかでも国内販売が好調に推移しているのが富士重の大きな強みだ。2013年1月から10月までの累計で、登録車の国内販売台数は10万8121台、前年比127.4%と非常に高い伸びをみせている。国内の登録車販売累計がおよそ240万台強、前年比が92.0%(いずれも自工会調べ)なので、SUBARU車のシェアは大きくないものの、伸び率は突出している。
 
 インプレッサ・スポーツとフォレスターが好評で、この2車種が牽引する恰好で、17カ月連続で前年を上回る販売台数を記録している。

 それに伴い、同期間の国内生産台数52万7387台(前年比112.2%)を記録。海外生産台数は9カ月連続前年割れで累計14万5800台だが、国内・海外を合わせると前年比107.3%となる。堅調というよりも好調という表現が相応しい。

 富士重では国内メーカーのなかで先行する形でプリクラッシュ・ブレーキシステムである「EyeSight」を発表。この安全運行システム搭載車種を増やしてきた。現在は第二世代の「EyeSight Ⅱ」に進化している。こうした先進の安全技術が消費者に受け容れられた結果の販売好調だといえそうだ。

 6月に発表した「SUBARU XV HYBRID」は、発表後わずか2週間で月販目標の550台を大きく上回る5580台の受注となり、富士重初のハイブリッド車として好調なスタートを切った。また、このモデル購入者の91.4%が「EyeSight Ⅱ」搭載車を選んでいる。

 11月に開催した第43回東京モーターショーでは、従来のレガシィ・ツーリングワゴンに代わるとされるコンパクトでスポーティなステーションワゴン「レヴォーグ」を発表。2014年早々に発売する。この新型上級モデルは300psを叩き出す強力な2リッター水平対向4気筒直噴ガソリンターボエンジンを搭載する。

 スバルのヒット作はいずれのモデルも運転する楽しさと軽快なハンドリング、高い運動性能に裏打ちされている。これまで富士重のクルマは「スバリスト」と言われるマニアックなファンに支えられてきた。が、その技術力の高さが一般に浸透した年が2013年だったのかもしれない。(編集担当:吉田恒)