今年11月20日に開幕した東京モーターショーでワールドプレミアとなったホンダの新型SUV、VEZEL(ヴェゼル)が正式に発売された。ホンダのSUVモデルは、1995年にデビューしたCR-Vがあり、初代モデルは今回のVEZELのボディサイズに近いコンパクトなモデルだった。が、モデルチェンジの度に大型化し、4代目にあたる現行CR-Vは北米専用のライトトラックプラットフォームを使用、1800mmを軽々と突破する全幅をもった北米向けミドルクラスSUVである。
そこで、コンパクトなSUVを求める声に応える恰好で登場したのが新型VEZELである。そのコンパクトといわれるボディサイズは全長×全幅×全高4295×1770×1605mm、ホイールベース2610mmだ。
エクステリアはSUVライクな力強さと、スポーツクーペのアッパーボディを融合したクロスオーバーSUVを目指してデザインしたという。
搭載されるパワーユニットは1.5リッター直列4気筒直噴ガソリンエンジンとそれにモーターを組み合わせた「スポーツハイブリッドシステムi-DCD」の2種。このハイブリッドシステムは噂された3モーターによる4WDシステムではなく、同社のフィットなどと同じメカニズムであるデュアルクラッチ方式と7速ギアを組み合わせたコンパクトなメカだ。フィットとの違いはエンジンが直噴(フィットはアトキンソンサイクルエンジン)であり、フィットのエンジンに比べて30psほど高出力化されている。駆動方式はFFに加えて、ホンダのスタンバイ式四駆メカ「リアルタイム4WD」を用意する。この4WDシステムはフィットに流用することが決まっている。
新型は燃費性能が非常に高いことが特徴。ハイブリッド車のJC08モード燃費は21.6-27.0km/リッター、ガソリン車でも19.0-20.6km/リッターを達成する。同時に安全装備も充実していて、全車にVSA(ヴィークルスタビリティアシスト:横滑り防止装置)などのホンダセーフティシステムが標準化されている。また、ガソリン/ハイブリッドのベーシックグレード以外に「あんしんパッケージ」として、サイドエアバッグ/カーテンエアバッグ/シティブレーキアクティブシステムが標準装備となる。なお、ベーシックモデルにはメーカーオプションで対応する。
タイヤ&ホイールは16インチを基本として一部グレードに17インチ仕様車を用意している。
ホンダ・ヴェゼルの価格は、ガソリン車187.0-208.0万円、ハイブリッド車219.0-268.0万円。日産ジューク、スバルXVあたりが強力なライバルか?(編集担当:吉田恒)