今年のスマホ業界の注目は、第3のOS

2014年01月07日 20:42

 2013年のスマートフォン業界を振り返ると、「Androidにとって苦しい年だった」という感想が思い浮かぶ。夏商戦でNTTドコモ<9437>が掲げた「ツートップ戦略」により、ソニーモバイルコミュニケーションズやサムスン電子の商品が売れたものの、それは結果的にパナソニック<6752>やNECカシオモバイルコミュニケーションズをスマートフォン事業から撤退させることとなった。

 そしてNTTドコモによる「i Phone(アイフォーン)」の取り扱い開始により、NTTドコモは冬商戦において「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」(シャープ<6753>)、「ARROWS NX F-01F」(富士通<6702>)、「Xperia Z1 f SO-02F」(ソニー)といった「おすすめの3機種」を用意していたにも関わらず、結果的には家電量販店のランキングの上位は各キャリアの「i Phone 5s」や「i Phone 5 c」が独占することとなり、Androidスマートフォンは下位に甘んじる結果となってしまった。

 また、スマートフォンそのものに目を向けてみると、かつてはディスプレイの大画面化や、チップセットの高機能化などの劇的な進化を見せ続けてくれたが、今では「バッテリーの寿命」という部分での争いに注力している感もあり、今までのように新製品の発売を待ち遠しく思う気持ちも薄れ始めた。

 そんな中、今年注目したいのが、TizenやFirefox OSといった「第3のOS」の存在である。Tizenに関してはNTTドコモとサムスン電子が力を注いでおり、またFirefox OSに対してはKDDI<9433>が開発を進めている。Tizenスマートフォンに関しては、一時「サムスン電子が開発を中止した」との情報も流れたが、しかし現在も発売に向けて着々と進められているようだ。こうしてどんどんとその存在感を増す「第3のOS」により、これまでアップル社のみをライバルと考えていればよかったAndroidも、何らかの戦略を練る必要に迫られることとなるだろう。

 この「第3のOS」が14年のスマートフォン業界に対して大きな影響を与えることは間違いない。その影響がNTTドコモ、KDDI、そしてソフトバンク<9984>といった大手3社それぞれにどのような結果をもたらすのか、その動向に注目が集まっている。(編集担当:滝川幸平)