NTTドコモ<9437>からとうとう「i Phone(アイフォン)」が販売され大きな話題となる一方、NECカシオモバイルコミュニケーションズとパナソニック<6752>がスマートフォン事業から撤退を発表するなど、国内メーカーにとっては苦しい状況が浮き彫りとなった2013年のスマートフォン業界ではあるが、14年はどのような動きをみせるのだろうか?
NTTドコモがi Phoneに参入したことによる業界への影響は、今のところ数字では見えて来ていない。11月に電機通信事業者協会(TCA)が発表した10月末時点の新規契約から解約を差し引いた純増数は、22ヶ月連続でソフトバンク<9984>が1位で、NTTドコモは3位だった。こうした状況にどのような変化がもたらされるのか、来年以降注目したいポイントではある。
そしてi Phone関連でさらに付け加えると、SIMフリー版のi Phoneが発売され、これも大きな話題となった。このことが国内でのSIMフリー端末の普及に拍車をかけるかどうかはまだまだ未知数ではあるが、しかしこの先、MNPやキャッシュバックによる割引販売に変化が表れれば、携帯電話に対して際立った知識を持たない一般ユーザーにはあまり馴染みのないSIMフリー端末ではあるものの、その市場が拡大する可能性もあるのではないかと言われている。
10年、総務省により各携帯会社にSIMロックの解除が求められ、その年の4月、携帯会社大手4社はそれに合意した。これによりユーザーはキャリアと端末を自由に組み合わせて使用することが出来るようになった。そしてSIMフリー端末が市場に出回ることとなれば、それにより企業間の競争は激化し、結果、通話料値下げといったメリットがユーザーにもたらされるのではないかとの予測もある。
SIMフリー版のi Phoneが発売されたのは、11月22日のこと。そしてその一週間前の15日には、Androidのリファレンス機であるNexus 5のSIMフリー版も発売されている。そしてこれらのリリースにより、低価格競争が起こるのではないかとの見方もなされている。
スマートフォンの通話料の高さに不満の声を上げるユーザーも多い今、14年以降には、価格の安いSIMフリー端末と通信サービスでもってリーズナブルにスマートフォンを使うユーザーの増加、そういったことも起こりえるのではないだろうか。(編集担当:滝川幸平)