安倍晋三総理は年頭記者会見で、景気について「1回表のノーアウト満塁の危機は何とか乗り切ることができた。今年は攻守交代、1回裏でデフレ脱却という勝利に向けて攻める番。この春こそ、景気回復の実感を収入アップという形で国民の皆様にお届けしたい」と所得増につながるよう景気回復に勢いをつけたい考えを強調した。
また、今月から始まる通常国会について「5兆5000億円の補正予算と来年度予算、さらに従業員の給与を増やす企業を応援する税制拡充など税制改正もある」とし「目指すは経済の好循環、収入アップの実現」と語り、今年の通常国会は「好循環実現国会」と位置づけた。
安倍総理は「企業収益の向上を賃金の上昇や設備投資につなげていく必要がある」とし「そのため来年度から法人実効税率を2.4%引き下げる。1兆円規模の税制措置として大胆な投資減税を講じるほか、賃上げ企業への減税の思い切った拡充を行う。昨年末には政労使で企業収益を拡大させ、賃金上昇につなげていく必要があり、一致協力して取り組むという共通認識に至った」とし「その実行に向けて取り組んでいく」とした。
このほか、安倍総理は原発の新増設については「現在のところ全く想定していない」とし、「再生可能エネルギーや高効率のLNG、石炭、さらには徹底した省エネルギーの推進などエネルギー源の多様化を図りながら、可能な限り(原発への)依存度を低減するというのが基本方針」と語った。一方で「エネルギー源の多様化と既存原発の再稼働の判断に集中していく」とも語った。(編集担当:森高龍二)