トヨタ、過去最高の営業利益2兆4000億円へ

2014年02月08日 10:09

 トヨタ自動車<7203>が復活の兆しを見せている。同社は2月4日に発表した平成26年3月期第3四半期の連結業績で、通期(2013年4月1日から2014年3月31日)の業績が、売上高は前期比15.6%増の25兆5000億円、営業利益は同81.7%増の2兆4000億円、税金等調整前当期純利益は同80.2%増の2兆5300億円になる見込みと予想した。

 営業利益は2008年以来の過去最高を更新、売上高、純利益も過去最高レベルだ。これは、最近の好調な業績動向などに加え、円安など外国為替相場の変動や収益改善の諸施策の成果などの影響が大きい。輸出の割合が多いトヨタでは円安が有利になるからだ。この予想は、為替レート通期平均で1米ドル=100円、1ユーロ=134円を前提としている。

 第3四半期((2013年4月1日から12月31日)連結では、日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は、2.3%増の678万5000台。日本での販売台数は、同1.6%減の164万2000台と減少した。しかし、海外では、同3.7%増の514万3000台と増加した。

 連結売上高は同17.8%増の19兆1225億円、営業利益は126.8%の大幅増の1兆8559億円となった。増益要因として、為替変動の影響が8000億円、原価改善の努力が2100億円、営業面の努力が1400億円、その他の要因が674億円だという。また、税金等調整前四半期純利益も同118.5%の大幅増で2兆224億円になった。同社株主に帰属する四半期純利益135.4%増の1兆5260億円となった。

 同社の要となる自動車事業部門は、前年同四半期連結累計期間比売上高は18.1%増の17兆7298億円となった。営業利益は同199.7増の1兆6236億円と、約2倍の増益となった。

 また、地域別でも日本が売上高は前年同四半期連結累計期間比11.8%増の10兆4878億円、営業利益も同335.8%増の1兆1614億円と3倍以上の増益となった。北米の売上高は前年同四半期連結累計期間比35.8%増の6兆2048億円、営業利益は同66.1%2748億円となった。欧州の売上高は前年同四半期連結累計期間比33.7%増の2兆292億円となり、営業利益は同102.4%増の431億円となった。アジアは売上高は前年同四半期連結累計期間比11.5%増の3兆6525億円となり、営業利益は同6.8%増の3057億円となった。その他の地域 (中南米、オセアニア、アフリカ)の売上高は前年同四半期連結累計期間比18.5%増の1兆7956億円となり、営業利益は同19.0%増の1083億円となった。

 これらセグメント別の増収増益も、ほとんどが為替変動の影響および原価改善の努力などによるものとしている。トヨタはこの影響が通期の業績にも好影響を与えると予想している。長引く不況が続く中、ここのところ、好調なニュースの多いトヨタ。日本の産業を牽引する自動車産業のトップの完全復活も近い。(編集担当:慶尾六郎)。