お家芸復活なるか 三菱電機がパワー半導体事業拡大加速

2014年03月11日 12:30

三菱

敷地内に分散している営業・開発・設計技術部門を「設計技術棟」へ集約。各部門の連携強化を図り、新技術・新製品開発を加速する。

 三菱電機<6503>は、需要が拡大・多様化するパワー半導体の新技術・新製品開発を加速する。6日、同社の福岡県福岡市のパワーデバイス製作所内に新たに建設していた設計技術棟を2014年3月10日から稼働開始すると発表した。

 同社はSiCパワー半導体など、さらなる電力損失低減のための開発を行っている。需要が拡大・多様化する中、市場ニーズにあった新製品開発の加速が求められていた。今回、敷地内に分散している営業・開発・設計技術部門を「設計技術棟」へ集約することにより、各部門の連携強化を図り、新技術・新製品開発を加速し、市場ニーズに対応する。

 設計技術棟の概要は、名称は「パワーデバイス イノベーション センター」、所在地 福岡県福岡市西区今宿東一丁目1番1号(パワーデバイス製作所内)、建築面積約1900 m2(延床面積約1万1000m2)、構造は鉄骨(S)造、地上6階建だ。投資総額は約25億円。

 設計技術棟は、断熱性向上による空調負荷軽減・人感照度センサー付きLED照明・自然採光・自然換気など、さまざまな環境へ配慮を施しているという。その他にもエネルギー消費を制御管理する同社製システム「Facima」も導入した。福岡市建築物環境配慮制度のCASBEE(建築物を環境性能で評価し格付けする手法。産官学で共同開発された全国共通の評価システム)福岡で最高評価のSランクを取得した。

 パワー半導体は、シリコン系と、次世代パワー半導体であるSIC系、GaN系、ダイヤモンド系、酸化ガリウム系に分類される。富士経済によると、シリコン系は2020年の市場は2兆7907億円と予測している。民生機器用のほか、自動車電装用は今後堅調な伸びが期待され、産業用も新興国を中心に増加すると予想されるという。また、次世代パワー半導体は、20年にはパワー半導体市場の7%を占めると予測している。

 かつてはDRAMを中心に日本のお家芸だった半導体事業。今では韓国や台湾メーカーにおされ、見る影もない。三菱電機の13年の第3四半期(13年10月~12月)の半導体事業は、民生用・産業用・電鉄用パワー半導体等の需要増加に加え、円安の影響もあり受注・売上とも前年同期を上回った。上昇気流に乗った今、ここで一気に攻勢をかける。(編集担当:慶尾六郎)