24日、韓国のサムスン電子は2013年の第4・四半期の営業利益が前年同期比6%ダウンの8兆3000億円ウォン(約8000億円)だったと発表。前年実績を割る結果となったのは、11年の7~9月期以来約2年ぶりのこと。スマートフォン(多機能携帯電話)向けのディスプレイが不振に陥ったことにより、ディスプレイ部門の利益が10分の1にダウンしたことや、米アップルとの競争激化によりスマートフォンの販売も伸び悩み、利益が前年並みにとどまったことなどが影響したとみられる。
売上高は6%アップの59兆2800億ウォンであったが、連結売上高営業利益率は14%と3ポイントダウンした。経営革新のきっかけとなった李健熙会長による「新経営宣言」20周年を記念し支給された特別賞与も総額8000億ウォンに達し、ウォンの上昇と相まって利益率を押し下げる形となった。
14年の設備投資計画は24兆ウォンとしており、去年と同程度の水準にとどめた。また年末商戦から続く需要の伸び悩みを鑑みて、「例年IT(情報技術)業界が低迷する時期であるため、部品やテレビ製品の需要が圧迫されることが予想される。そのため、利益を伸ばすことは難しい」と、第1・四半期の前期比での増益達成について厳しい見方を示した。
スマートフォンなどのモバイル機器部門の営業利益は、前年同期比と大きく変わらず5兆4700億ウォンであった。しかし過去最高となった前期の6兆7000億ウォンと比較すると、18%のダウンとなった。主に新興国市場で販売する中低価格機が好調に推移しており売上高は増えたものの、高機能機が伸び悩み平均販売単価が下がる結果となった。
その一方で、半導体については40%の増益と拡大が継続。スマートフォンやサーバー向けのメモリー半導体が好調に推移した。火災の起きたSKハイニックス中国工場の復旧が年明けにまでずれ込んだため、価格も高水準で推移したものとみられる。
そして傘下のサムスン・ディスプレーの営業利益は前年比で90%ダウンの1100億ウォンだった。「ギャラクシーS4」の販売不振、そしてテレビ販売の低迷などが影響したとみられる。(編集担当:滝川幸平)