大手企業を中心に、業績改善や賃上げのニュースが相次いでいる。だが多くの新入社員にとって、将来の見通しはそれほど明るくないようだ。リクルートマネジメントソリューションズの調査によれば、13年入社の新人のうち「将来は明るい」と答えたのは2割にとどまり、前回調査から1割減った。
調査は昨年11月、従業員500名以上の企業に所属する、大卒ホワイトカラーの新入社員400名(男女それぞれ200名ずつ)に対し、インターネット上で実施。
「働く上であなたの将来の見通しは明るく、希望がもてると思うか」と尋ねたところ、「とてもそう思う」「そう思う」の合計は21.6%。10年の前回調査から8ポイント減少した。希望がもてない理由としては、「昇給が見込めない」「出世できそうにない」が増加している。
管理職志向も減少気味だ。「管理職になりたいか」との問いに対し、「なりたい」「どちらかといえばなりたい」と答えた新人の割合は、10年の55.8%から45%へと減少。調査したリクルートマネジメントソリューションズでは、管理職志向の減少について、「ミドルマネジメントの負荷の実態などが明らかになっていること」、また「ダイバーシティに代表される多様な働き方の増加や、定年延長の影響」が背景にあるとコメントしている。管理職を目指さずとも、自分なりに納得感のある働き方をしたいと考える新人が増えているのだろう。
昇格・昇給については、「年齢・勤続年数に応じて平等なのがよい(年功序列派)」が4割、「実力や成果に応じて個人差があるのがよい(成果主義派)」が6割との結果になった。10年と比べ、成果主義派が約5ポイント増加している。一方で7割の新人が、「会社は個人が希望する限り、定年まで雇用を保証すべきだ」と答えており、終身雇用への願望は根強い。新入社員の間では、「安定した環境のもとでチャレンジしたい」との意識が強まっているのかもしれない。(編集担当:北条かや)