新入社員の74.5% 終身雇用を希望

2011年06月17日 11:00

 今春就職した新入社員は就職活動が大変だったと感じている人が過去最高となり、その反動か、終身雇用を望む人も過去最高になったことが産業能率大学の2011年度新入社員の会社生活調査で分かった。16日、発表された。

 調査は新入社員の働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などを把握するため、同大学が能産マネジメントスクール新入社員研修セミナーに参加した社員129社440人を対象に3月28日から4月8日までの間に実施。男性307人、女性108人の415人から回答を得た。

 それによると、就職活動については35.4%がかなり大変だった、37.8%が思ったより大変だったと回答し、かなり楽だったは3.9%に留まった。かなり大変だったという人の割合は1991年度の調査開始以来、過去最高になった。

 就職先を選ぶ際に重視したのは仕事内容との回答が74.2%でトップ。次いで、業種(65.8%)、企業風土(41.9%)になっていた。

 また、終身雇用を望む社員は2002年度の5割ラインから、ほぼ毎年上昇を続け、2011年度は74.5%と、こちらも過去最高になった。就職に苦労したこともあり、入社できたうえは「ひとつの会社に長く勤めよう」という意識が強くなっているようすが伺える。

 また、早く戦力になって会社に貢献したいという人が56.6%と前年度より12.8ポイント増え、地道にコツコツ働きたいという回答は逆に12.9ポイント下がり43.4%になった。

 将来の進路について、会社に早く貢献したいという意識の増加を反映してか、将来は管理職として指揮を執るという管理職志向が48.1%と専門職志向(42.8%)を上回り、過去最高になった。役職としての目標でも社長を目標にする人が前年度より2.5%増え、17.4%になっていた。

 同大学では「就職した企業の中で成功しようとする、やる気が感じられる。企業にとっては中長期な視点で育成しやすい、前向きな息の長い人材であることが、意識の上でうかがうことができる」と企業戦士として、今年の新入社員は育てやすい意識を有している人が多いとしている。(編集担当:福角忠夫)