新卒の46%が「第1希望」に就職するも、職場への満足度は過去最低

2013年07月15日 16:55

 マクロミルが新社会人500名に「勤務先が第何希望だったか」を尋ねたところ、「第1希望」と回答した人は昨年と比べて6ポイント増の46%で、2008年のリーマンショック以降もっとも高い割合となった。

 なぜ今年の新入社員は「第1希望」に就職できたのか。リクルートワークス研究所の調査によると、2013年卒の就活生は大企業志向がやや弱まり、中堅企業に目を向ける就活生が増えつつあった。従業員数300~999人の企業を希望する学生は前年比2.9%。「第1希望に入社できた」と答える新入社員が増えた背景には、このように中堅企業を受ける学生が増え、企業規模間のミスマッチが解消されつつあることも関係しているだろう。

 ところが冒頭のマクロミルによる調査では、新社会人は勤務先への満足度が前年に比べてかなり低いことも明らかになった。現在の勤務先にどの程度満足しているか尋ねたところ、「満足(満足+どちらかといえば満足)している」と回答した人は66%。就職氷河期の再来といわれた2011年の新入社員よりも10ポイント以上低下し、過去5年間で最低となった。せっかく第1希望の会社に就職できたのに、満足度が低くなるのはなぜだろうか。

 思うに「第1希望に合格できた」と感じている学生は、そうでない学生と比べて職場への期待値が高く、その分失望も大きいのかもしれない。一方、希望の会社に入れなかった学生ほど、そこで何らかの良い点を見出し「(当初は期待していなかったが今は)満足している」と答える割合が高まる可能性もある。職場に満足しているポイントを尋ねると「人間関係が良い」が最多で55%、次に「雰囲気が自分に合う」が51%だった。

 企業の採用意欲が回復する中、今年の就活生には再び「大企業志向」が戻りつつあると指摘されている。それでも多くの大企業は狭き門であり、落ち続けてしまう学生が増えることも懸念される。だがそんな彼らが新入社員となったとき、会社への満足度は逆説的に上がっている可能性すらあるだろう。企業に求められているのは、第1希望で入社してきたかどうかに関わらず、彼らの能力を最大限に発揮させてあげることではないだろうか。(編集担当:北条かや)